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わがまま女神の開拓誌 ~自分の島を観光地にしちゃおう!!~  作者: 青衣
第2章【月曜の荒野《夜朧》】
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終わりは次への始まり

撤収開始!!

 さてさて私達はもう夜朧でやることはすべて終わらせたようだからこれから先は引き続き新しくなったこの新生夜朧を聖奈にバトンタッチすることにしよう。

 簡単に言うとだな? まぁいつもの生活に戻るって言えばその限りなんだけどね。

 ともかくリニューアルってことだけは言えるけど、それだけしか変わってないから食べ物事情はまた今度にするとしよう。

 もちろん玄弥が何とかしてくれるさ……だって私に農業の知識なんてないし、投げやりですまないとは……なぜか微塵にも思わないな。


 っと、撤収作業だが特にここに来る時に持ってきたものはほぼ無いから搬入もすぐ終わる。

 終わるけど聖奈の話は簡単に終わりそうにもないな……まぁ、それだけ感謝をしてくれてるんだ。


「この度は本当にありがとうございます。 次は燎煉の改修とお聞きしましたが……不肖聖奈、今はここを離れるわけには。 けど皆様のお手伝いしたいのです。 あぁ私はいったいどうすれば……ひゃっ!?」


 借りた借りはきちんと返すのが夜朧の掟と言えるが人一倍仁義を重んじるというのは苦労するものだ、悩みに悩んだ聖奈の頭に手をポンッと乗せてなだめる玄弥。


「同じことをするだけが借りを返す手段って訳じゃねぇぜ? またいつか違う形で返してくれれば良いからよ。 いつまでも待ってるぜ……と。」


「ちょっ、燻製サーモン車の中に入れないでよ玄弥ぁっ!! 生臭ぁあっ!!」


 結愛が燻製をクーラーボックスにぶちこむのだが待て、私の寿司が……いや正確には主へのだが止めてくれ。

 かといって取り出すのもなぁ。


「とりわけ夜朧にはしばらくはコイツをやろう。」


 荷台から彼が取り出したのは緑豆と二十日大根の栽培キットだ。

 ずいぶんとたくさん入ってるし、これなら短期間でしばらくは困ることはないと思う。

 緑豆は1週間でモヤシになるから1度に大量に育てれば飽きなければ延々に食えるみたいだ……私はお断りだけどね。

 嫌いじゃないが肌荒れしそうだし。


「おらっ、撤収するぞ。 って、そっちに乗り込むのか……まぁいい、疲れてるなら寝てろ寝てろ。」


 私はともかくだが結愛は小学校低学年の身体付きをしていながらよくここまで頑張ってついてこれてるものだと、感服ものだなこりゃ……まぁ、事実上の総監督だから仕方ないよね。

 結愛は無言でベッドに潜り込むとそれ以上は何を言うわけでもなく夢の中へと落ちて行くのだろう。


 私はただ単に2度寝したいだけなのと眩しいのが嫌なので日が差さない後ろでゆっくりしたいと言うものだけなんだが。

 ベッドに潜り込もうとしたときだった、珍しく少し大きめな聖奈の声が聞こえてきた。


「お待ちください玄弥様!!」


「あん?」


 ほんのわずかな時間……刹那のごとく。

 彼の頬に柔らかな感触が走り、その数秒後に運転席の後ろのカーテンから覗き込むと顔を紅潮させて放心してる玄弥と……私達からは見えそうにないが後ろを向いて空を見上げている聖奈の姿が見えた。




 ……私は何も見てないし、気にすること事でもないさ。




 3分ほどフリーズしてた玄弥も我に帰り、たぶん知った上で顔が赤くなった理由を聞いてみたら【運転席に座ってたから日焼けしたんじゃねぇのか】とはぐらされてしまった。

 まあ、誰が玄弥に何をしようと私達は【結愛】そのものだから一心同体の以心伝心だからいいんだけどさ。


 彼が何事もなかったと言うならもう深追いなんてしない。

 再びベッドに潜ると今度は優しいアクセルでキャンピングトラックは走り出す。


 夜朧の民たちの別れの声と感謝の声が響き渡る……。

 これから眠り行く私にとってうるさいと感じられたか、否……嬉しいものだよ。

 また1つ開拓を成し遂げ次なる場所【火曜の活火山 燎煉】へと向かう。

 けどその前にまたしばらくは休暇が入るからしっかりと休んでおかなきゃね。


 陽光より時間がかかって大変だったけど頑張ったから後でご褒美のスイーツでも結愛と一緒に食べに行きたいなぁ……なんて思いながら夢の中へと私も沈み行く。


 キャンピングトラックは西へ西へと、帰路の轍を……。

聖奈さん……何したの

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