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わがまま女神の開拓誌 ~自分の島を観光地にしちゃおう!!~  作者: 青衣
第2章【月曜の荒野《夜朧》】
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今宵は暖かき寝床と冷たき星空を

しーんと寝静まってる

 夜も20時を過ぎると夜朧の連中はさっさと寝てしまうのはなぜかわかるかな?

 他の長屋を見るともう既にどこもかしこも真っ暗で寝静まっているのが眼と耳で感じられる訳で、空には星空が珍しく映えて美しい月夜が発展した夜朧を祝福してくれているように見えてなぜか嬉しい気持ちになれるんだ。


 聖奈と結愛と天音は同じ部屋に布団を敷いてもう既に夢の中である。

 普段は22時などに寝ると言ってた天音や結愛ですらこの時間に寝ると言うのは、今回……夜朧の開拓を行って心外だっただろうね。




 ……何せ電気が通ってないのだから。




 夜朧にはまだ電柱の1本も存在してないため送電するも何もそれ以前の問題になってくる。

 それなのにどうだろうか、ここの連中は電気や雷を操れる……噴飯モノだと思わない?


 そんなものを操れるのにも関わらず電気が復旧してない街と言うのはどう言うことだろう?

 自身で電気を生み出せるから明かりなどは必要ないのだろうか?

 私は夜朧の民じゃないからその点何を考えてるのかよくわからないけどね。


 電気がなくて真っ暗ならさっさと寝るに限るって話。

 まっ、私はやるべきことがあるんで長屋の1つの家屋スペースを借りて書類のまとめが終わるまではさすがに寝られたものじゃないけど。




 そうそう、夕飯の時に居なかった天音がさっきまでどこに行ってたかというと、民の人たちに今後どんな施設があれば嬉しいかと言うアンケートを実施しながら回っていたようだ。

 夕飯までに帰ってこなかったからけっこう聖奈が心配してて軽く注意されてたけど、まぁ……そういう事情聴取的なことをしてたのなら仕方がないって許してくれたみたいだけどさ……。


 アンケートを見る限りだと【寺子屋】が欲しいと第1要望がダントツに突出していたらしい。

 まぁでも考えてみれば当たり前だろうね、満足に学問なんて出来る人なんて民の中で1割も居ないと断定はできそうだし。


 その中で大半は小等学問が7割、残りのほぼ3割は中等学問……高等学問レベルの知識を持つ人なんて両手で数えられるかどうかだった。

 これはいけない、発展する上で学問は大切だからね。


 おっと、指が止まってた。

 書類の作成をしなきゃいろいろと私もヤバイ。
















 蛇口をひねれば当たり前のように安全で安心のきれいな水がいつでも飲めるって本当に素晴らしいよなぁ。

 起きてればノドが乾くから湯飲みに軽く注いでは一気のみをしてオッサンみたいにプハーってしてやったさ。


 ここしばらくは飲み水も満足に飲める訳じゃないからわざわざ玄弥が夜の間に時雨まで飲料水をタンクに補充して持ってきてたらしく、まぁ限りもあるから1人が1日に割り当てられる量が少なすぎてこんなにゴクゴク飲めるのが久々すぎて水道のありがたみがよくわかる。


 そんな幸せもパソコンの画面を見つめれば現実に引き戻されちゃうんだけどね。

 今日の私が作った広告を見た人はたったの1桁。

 これじゃ結愛にどのツラ下げて行けば良いのかわかんないや……ははは。


 私のこの笑いもきっと強がり、単なる現実逃避……のんきに笑ってる場合じゃない。

 そう思うと自分自身の無力さが溢れて止まない。


「はぁ、やっぱりこの計画は失敗に終わっちゃうんだろうな。」


 七刻を他の世界にプロデュースするための広告や宣伝などもここしばらくはこうして動画や文章でわざわざ製作してると言うのに、ここまで効果がないとなると私も半ば諦めたくなる。




 ……どうせ誰も見やしない、意味がないんだ。




 みんなで頑張って作った港もお城や長屋も……これから作られる建物もすべてが無意味に終わってしまうと考えると目頭が熱くなって涙が出そうになる。

 頑張りが報われないって言うのは世の常識、頑張りが報われるなど甘い夢を追い求めてるはずじゃ決して無かったと言うのに。


「私は正しい方向性の努力をしていると言うのに、どうして皆わかってくれないのかな……。 それとも私が正しいと思って行動してること自体が間違いの道だったと言うの? ……誰か教えてよ……。」


 教えてほしくても誰も言ってくれない悲しさに頬に暖かな涙が伝う。


 誰かに泣きついて子供みたいに泣きたい。

 今だけはあわよくば結愛にだって子供みたいと言われようがかまわない……。


 心の支えが欲しくて……普段は頑丈な私の精神にヒビが入りそうで怖かった。

 パソコンの明かりだけが今の夜朧に灯る唯一の光なのだろう?

 でもその光が失われた時きっと私は声をあげて寂しさで泣くんだろう……近所迷惑になると言うのをわかっていたとしても。




 ……寂しい、辛い。




 それでもなお、宵闇に響くはキーボードのタイピングの音だけだ。

 誰も反応するはずもなく、ただむなしく……肌寒い部屋に少女が独り座っていた。

寂しいって言うのは孤独だからだろうか

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