その弐『涅月 葉子の憂鬱』
谷「よし!今回こそは張り切っていくぜ!」
名「今回も谷津冶は出番無いよ。」
谷「マジかよ!またお預けかよ!どうするぅ!?」
隆「どうにもしない。外伝第二話始まるぞ。」
沖縄へ行く少し前…
「……。」
涅月 葉子はラウンジにて1人静かに勉強に励んでいた。因みに教科は数学だ。
「…………………。」
「…………………。」
「……………………………。」
「……………………………。」
「…………………何の用だ?」
「やっぱり気付いてたか。」
「いくら音を立てない様にしていても気配で分かる。」
「お前は鋭いからな…。」
「…で、何の用だ?雷堂。」
「いや、何となく。何秒で気付かれるかな?と思って。」
「そうか…。取り敢えず、暇潰しに人の勉強を邪魔するな。」
「ちぇーちぇーちぇー」
それだけ言い残して隆次は自習室へ去って行った。
「……(構って欲しかったのだろうか?)」
ドアを見つめながら少し考えた後、涅月はまた勉強に戻った。
「…………………。」
「…………………。」
「……………………………。」
「……………………………。」
「…………………何の用だ?」
「いや、何か物凄く集中してるなーって思って。」
「実際、それくらい集中していたからな。」
「その凄い集中力が羨ましいよ。」
「…で、何の用だ?小鷹。」
「ごめん、特に用事は無い。何となく見てただけ。他誰も居ないし。」
「そうか…。それだけなら問題ない。先程、雷堂が邪魔しに来たからな…」
「…それはお気の毒に。」
それだけ言って小鷹は自習室へ去って行った。
「……(小鷹はたまに何を考えているか分からないな)」
またしても、ドアを見つめながら少し考えた後、涅月はまた勉強に戻った。
「………………。」
「………………。」
「……………………………。」
「……………………………。」
「………………何の用だ?」
「見よ、この青い空を!」
「雨だな。しかも雷雨。」
「うむ。私も言ってから気付いた。」
「…で、何の用だ?矢手弓。」
「いやー、字とかノートの取り方が綺麗だなって思って。」
「そうか…。お前にしてはマトモな理由だな。」
「まぁ、前から思ってたんだけどね。それに比べて私のは…(笑)」
そう言って名似何は自習室へ去って行った。
「……(矢手弓はいつでも何を考えているか分からないな)」
「……………。」
「……………。」
「…………………………。」
「…………………………。」
「…………何の用だ?」
「涅月!頼む!そこを退いてくれ!」
「断る。今、人が何をしてるか考えて言え。」
「ぐ…だが、俺は諦めん!諦めんぞぉ!!」
「…で、何の用だ?小康。」
「そこは俺の!1番よく眠れる席なんだ!だから変わってくれぇ!!そうしなければ、俺は眠れない!!」
「そうか…。じゃあ寝なければいい。」
「ぬおーー!!ならば空き教室で寝る!」
そう叫びながら小康は空いている教室を探しに行った。
「……(あんなのじゃなければマトモなのにな)」
「………………。」
「………………。」
「…………………………。」
「…………………………。」
「……………何の用ですか?」
「…………にひひ〜」
「?」
「アイスーーー!!」
「いくら戸舘先輩でも奢りませんよ。」
「はこちゃんつめたーい!」
「そうですね。よく言われます。ですので早く自習室へ。さようなら。」
「…はこちゃん機嫌悪~い…」
そう言い捨て戸舘は自習室へ去って行った。
「……(普通は先輩が奢るものでは…?)」
「……………………。」
「……………………。」
「…………………………………。」
「…………………………………。」
「……………何ですか…。」
「いやーツッキー頑張ってるなぁと思ってたんだお〜」
「取り敢えず、気持ち悪いので後5mくらい離れてください。」
「5mって………結構遠いお~。」
「そのまま右向きに歩いてください。」
「……こう?」
「その位置で今度はバックしてください。途中の障害物(扉)は突き進んでください。」
「何があるのか楽しみだぉ…ってぬぉおおおおおおおおおおおお!!?」
ずるっ!!ごろごろごろごろごろごろごろ…
「……(スタッフなら階段の位置くらい把握しておくべきだと思う。)」
「…………………。」
「…………………。」
「……………………………。」
「……………………………。」
「………………………………………。」
「無視しないでいただけません!?」
「…………何か用ですか。」
「特にありませんわ。」
「そうですか…。」
「「…………………。」」
「やっぱり帰ってください。」
「私、ここまで酷い扱いされたのは初めてですわよ!?」
シャドーは泣きながら自習室へ走り去って行った。
「……(本当に厄介な人だな。雷堂達が凄く思えてきた。)」
「……………………。」
「ワーーーーハッハッハッハッハッ!!!!蒲生 彦九郎ただいま参上!!おや?そこにいるのはもしや涅月ではないか!?よくもこれまで、何度も俺を壁に減り込ませてきたな!今日という今日はそう簡単には減り込んでやらないぞ!!いざ!尋常に…」
「…黙れ。」
ドガッ!メキッ!!
「…すみませんでした…(ガクッ)」
「人が何をしてるか考えてから騒げ。」
そして今回も蒲生は壁に減り込んだ。
「……(何回壁のシミになったら気が済むんだ?)」
「…………………。」
「…………………。」
「………………………………。」
「………………………………。」
「……………何?」
「いえ、何でもありません。」
「……そう。」
「「…………………………。」」
「…(気になる…)」
「…………(にこにこ)」
「……(冷たくあしらうわけにも行かないしな。)」
「…………。」
じーーっ
「……だからそんなに私を見ないでくれ。」
「へっ?!あっ、すみませんでした…。」
「……いや別に。」
「…やっぱり自習室帰りましょうか?」
「え?いや」
「勉強の邪魔をするわけにも行きませんので…」
そう言って高上 未来は自習室へ去って行った。
「………。」
それから暫く、涅月はドアを見つめていた。
「……ふぅ。小腹が空いたな。…というか、やけに疲れたな…」
涅月の勉強が一段落着き、涅月はコンビニへ行くべく出かけた。
THE STEGOは駅から徒歩20秒、コンビニから徒歩15秒、エレベーターで約1分という場所にある。
その為、THE STEGO生は気軽にコンビニへ行き、食糧を確保する事ができるのだ。
涅月はいなり寿司を買い、THE STEGOへと戻った。
「……(いなり寿司って売ってる物なんだな)」
そして涅月は正面扉に手をかけた。
『お誕生日おめでとう!』
「……………え?」
目の前の光景に涅月は呆然とした。
隆次、小鷹、名似何、小康、蒲生、瑠美子、美毅、ドゥーン、シャドー、未来の10人がラウンジで涅月を待っていた。それぞれのささやかなプレゼントを手に。
「THE STEGO恒例のドッキリ誕生会です!」
瑠美子が満面の笑みを浮かべ主役を座らせた。
「……えと…え?」
「水臭いよー!教えてくれれば良かったのにー…」
美毅が口を尖らせながら言った。
「…え?確かに今日は私の誕生日ですけど…何で知ってるんですか?」
「カガミンが教えてくれたからだお」
「高上?」
「あ…え、えーと…はい。」
「…貴方に誕生日がいつかだなんて言った覚えは無いけど…?」
「すみません、調べました………てへっ」
「可愛いから許せ。」
「何で命令形なんだ…?」
「許せですわ!」
「何でアンタまで…」
「隆次…言ったら逆効果だと思う…」
最近突っ込みに回る事が若干多い名似何が突っ込んだ。
「…その馬鹿は放って置いてプレゼントだ。涅月。」
そう言って小鷹が涅月に持っていた物を渡した。
「これは…新製品の四ツ谷サイダー練乳味か。ありがとう。」
「あ!小鷹ズルい!葉子ちゃんこれプレゼント!」
「戸舘が人に奢るなんて!?!」
「雷堂うるさい。」
そう言って戸舘は涅月に持っていた物を渡した。
「…これは…カップ豚汁?」
「普通じゃ面白くないって雷堂が言ってたしねー。それもそうかって事でこれにしたの!」
「THE STEGO生たる者、一癖二癖あって当たり前だZE!」
「だZE!ですわ!」
「…だから何でアンタまで…」
「後、私からはこれですー。」
そう言って瑠美子は涅月に持っていた物を渡した。
「……カップ焼きそば…」
「豚汁と一緒に食べてくださいね。」
「あ…ありがとうございます…。」
「では、私からも。」
そう言って名似何は手に持っていた物を(以下省略)
「野菜ジュースか。意外とマトモだな。」
「ちゃんと野菜取れよ!?さもないと…ふふふ…」
「分かったから…その気持ち悪い笑みをやめてくれ…」
「気持ち悪いと言ったらドゥーンだな。」
「ええ?おっちゃんそんな気持ち悪いかお?」
『うん』
「…そんな全員で頷かなくても…汚名返上におっちゃんのとっておきをあげるお。大人の力を見るんだお!」
そう言ってドゥーンが渡したのは…
「………ウル○ラマンのお面?」
「そこは、某3分以内に敵を倒して帰らなきゃいけない巨人と言って欲しいんだお。」
「…大人の力って一体…」
「むむ!そういうヤスはどうなんだお?!」
「ふっ…ウルトラマ○と比べられたくない一品だぜ!」
そう言って小康が取り出したのは…
「……寝袋?」
「これがあればどこでだって快眠できるという素敵なアイテムをくれてやる!」
「……(もっと持ち帰り易い物が良かった)」
「…DQN野郎よりは高級だな。需要はともかくとして。」
「お…大人の力が…負けたお…」
「大人ショボいww」
「大人の中でも底辺クラスですから仕方無いですわ。」
「……何も言い返せないお…」
「…じゃ、次は俺が…」
「待て!隆次ぃ!次は俺が、日頃の恨みも兼ねてスーパーダークネスなアイテムをプレゼントしよう!ハーッハッハッハッハッハッ!!」
「…出た。」
「厨二乙。」
「直訳すると凄い暗さだね。」
数々の非難にもめげず、蒲生はプレゼントを渡した。
「………梅干し?」
「ふははは!どうだ!これぞ我が実験の末に生み出した究極の梅干し!一粒口にする事で酸味と塩辛さと言う苦痛を…」
「…要するに自家製の梅干しだそうだ。」
「分かり易い説明ありがとう。」
「…さて、蒲生がまだ何か言ってるが無視だ。くれてやる!俺のプレゼントだ!刮目せよ!!」
「刮目せよ!ですわ!」
「さっきから何でアンタまで…」
「今回は言って見たかっただけですわ!」
「…そうですか…」
そう言って隆次が渡したのは…
「……何だこれ…」
「ジャム納豆ご飯。」
「何だそれは」
「苺ジャムと納豆が混ざった物をご飯に乗せた奴だ。」
「…食えるのか?」
「…食えなくは無いと思う。」
「味見は?」
「納豆無理なんで」
ドガッバキッ
「味見…というか毒味くらいしろ。」
「そういう…問…題…か…(ガクッ)」
隆次は力尽きた。
「…リカーム!」
シャドーはリカームを繰り出した!
「……!ふっ!」
隆次は生き返った。
「…お前…悪魔だったのか?」
「せめてペ○ソナ使いと言って欲しいですわね…」
「隆次が蘇ったのはいいとして、シルヴィーのプレゼントは何?」
「心配せずとももうすぐ来ますわ。」
「…ピザお届けに来ましたー!」
玄関からピザ宅の声がしたので全員が振り向いた。
「葉子ーーーー!!お兄ちゃんだよーーー!!」
「…何で来た。」
「そんな冷たいこというなよー。折角ピザ屋の人にこの服とピザ借りてやって来たってのにー。」
「尾九さん!?」
「ん?おぉ雷堂くん!元気してたか?」
尾九と呼ばれた、涅月葉子の兄らしき長身の男は爽やかに葉子に抱きつこうとした
「よ…」
「抱きつかないでよ?」
「…」
…が失敗したようだ。
「…お、俺は負けない!前はすぐに駿に抱きついてしまったが今日は…今日こそは…」
「……で、これがシルヴィー先輩のプレゼントですか?」
「いえ…私はピザを頼んだだけですわ…」
「ふっふっふっ、妹の誕生日と知っていてお兄ちゃんが黙っている訳がないだろう?」
「普通に家で祝えよ…」
小鷹が至極真っ当なツッコミを入れた。
その後、涅月兄の乱入により涅月の誕生日会はお開きとなった。尾九はドゥーンを除くスタッフ達によって退場させられた。
「あの、涅月さん」
「…ん?」
「今日は色々すみませんでした…!」
「…?何で謝るんだ?」
「え、でも…」
「むしろ感謝してるよ。…わざわざ調べてまで祝ってくれてありがとう。」
「…涅月さん…」
「…あと、その涅月さんってのも少し堅苦しいと思う。葉子でいいよ。」
「…分かりました!葉子先輩!」
その時、2人は眩しいくらい笑っていた。
「あ、そうだ。そういえばプレゼントまだ渡してませんでしたね。はい、どうぞ!」
「箱か…開けて見てもいいか?」
「どうぞ!」
涅月は一辺25cm程度の立方体型の箱を開けた。
「…………耳?」
「はい!似合うと思って!」
「……………」
箱を開けると、そこには狐耳のカチューシャが入っていた…
どうも伊崎です。
外伝第二話です!!今回は主役をガラリと変えて見ました。
結構前に夢色氏が、意外な人物をメインに執筆してみる!って言っていたので、私もやってみたくなった所存です。
それと、江生氏も外伝の様な物を書くとか言っていた様な気がします…多分。
取り敢えず、外伝はゆったり書いていくつもりですので気が向いたら読んでやってください。
ではでは皆様ご機嫌よろしゅう…




