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1933/1934

九百二十一:泰子さんの話(818) ★定期預金とAIの話(3)

九百二十一:泰子さんの話(818) ★定期預金とAIの話(3)


 ところが先日、別の場所で、私はAIの恐るべき進歩を身をもって体験した。三井住友銀行へ出かけたのである。会社の預金を数億円ほど、小分けにして定期預金にするためだった。


 昔なら、「数億円、定期にする」と言えば、支店長が飛んできて、こちらを抱きしめんばかりに歓迎してくれたものだ。もっとも、これは昭和の銀行の話である。今や銀行も数千億円、何兆円という金を相手にしている。ウチごときの数億円では、支店長が走って来ることもない。それでも私は少し胸を張って銀行へ入った。何が起きたと思う?

 

 先ず背の高い若い女性が私を2m四方の小さなブースへ案内してくれた。そこに、やはり若い女性のロボット(=パソコン画面)が待っており、案内の女性は交替して居なくなった。ボンヤリ座って居ると、ロボットが優し気に話しかけて来た。


 その後、私は一切何も書く事は無かった。キーボードを操作する事もなく、コピーを採る事も無く、ただ座って、顔認証されて(=免許証をかざすと、ロボットが私の運転免許証と勝手に照合する)、私の遣る事はロボットの質問に、口頭で応えるだけ。述べた事を聞いて、そのまま書類に落とし込み、ロボットがすべての書類を私の代りに作成してくれた。言えば、完璧な秘書である。


つづく

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