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1934/1934

九百二十二:泰子さんの話(819) ★定期預金とAIの話(4)

+++私の遣る事はロボットの質問に、口頭で応えるだけ。述べた事を聞いて、そのまま書類に落とし込み、ロボットがすべての書類を私の代りに作成してくれた。言えば、完璧な秘書である。

   *

九百二十二:泰子さんの話(819) ★定期預金とAIの話(4)


 もし、彼女と会話を楽しみたければ、どんな質問や疑問にも瞬時に応えてくれたし、何でも教えてくれた。私が考え込んで困った顔をすれば、「何か困っていますか?」と先回りして、心配そうな顔で気を遣ってくれた。私は二、三度、彼女の親切に助けられた。


 すべてをロボットの秘書がやって呉れて、私がやった事は最後に書類にハンコをついただけ。ハンコをついた書類も、誰に渡すでもなく、ただパソコン下にある開口部に投げ入れただけ。彼女は、投げ入れる私の挙措を当然ちゃんと最後まで見守ってくれた。それを確かめた上で、「お疲れさまでした」とねぎらわれた。


 続いて、サヨナラと言われて、お仕舞い。

 ブースまで、誰も私のお迎えには(人間は)現れなかった。数億円がこうして処理された。最初から、約1時間。銀行の自動ドアを独りで出ながら、「あの彼女、デートに誘いたかったなーーー」という気がした。あれほど親切にされると、ついそんな気にもなる。少なくとも、電話で一方的に喋るAIより、よほど人間らしかった。


つづく


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