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九百十七:泰子さんの話(814) ★野心のすすめ ― 「低め安定」の人生(7)
九百十七:泰子さんの話(814) ★野心のすすめ ― 「低め安定」の人生(7)
幸い、うちの会社は小さいので、その道は閉ざされていない。管理部門から営業へ移れば、努力次第では現在の給与の数倍になることもある。実際に、社長である私より多く稼ぐ営業マンも複数名いる。
実はそれとなく、私はそういうアイデアをほのめかしてやった。しかしA君はそんなシンドイ勉強や努力はいやなのだ。つまり、「もっと欲しい」という願望はあるが、「もっと努力する」という部分は欲しくないのだ。何故ならA君の楽しみは仕事以外のXXXの趣味だからだ。「もっと努力する」事の為に時間を取られたら、趣味の時間が激減すると考えている。
けれども、これでは少々、会社へ注文が良すぎる事になる。
林真理子も本の中で書いている:自分が何も努力せずに、誰かが引き上げて呉れると言う事はあり得ない。彼女も、A君に類したタイプの人を沢山見ているからで、そんな人種は何処にでもワンサといるのだ。
十年以上前から、林真理子が「なぜ野心が希薄な時代になってしまったのかーーー。自分の将来さえ真剣に考えようとしない人々ばかりーーー」と嘆いている。私も同感だ。けれども、人には二種類いるのだ。出世する人としない人と。みなが、野心家である必要はなさそうだ。
つづく




