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九百十四:泰子さんの話(811) ★野心のすすめ ― 「低め安定」の人生(4)
九百十四:泰子さんの話(811) ★野心のすすめ ― 「低め安定」の人生(4)
人生には終わりがある。当たり前の話だが、この当たり前を本気で考えると、随分話が変わってくる。人は永遠に生きるつもりで、今日を使っている。けれども実際には、一日使えば一日減る。貯金なら使えば減ったことが分かるが、時間というのは、使っている最中には減っていることに気付かない。
さて、私は小さな会社を経営している。社員数も大したものではない。けれども眺めていて分かるが、社員には二種類居る: 一つは「仕事を人生の一部として見る人」、もう一つは「生きるために仕事をする人」だ。
後者の「生きる為にやる」人にとって、世間一般でこれが大多数と思うが、人生の楽しみは仕事以外の別の処にあって、仕事は食う為のやむを得ない責務と考えている。林真理子が言う「上昇志向」とは無縁で、確かに「低め安定」で結構、ということになる。
私はこの考え方を一概に悪いとは思わない。人生には人それぞれの楽しみがある。仕事だけが人生ではない。
つづく




