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1922/1933

九百十:泰子さんの話(807) ★蕎麦屋の倒産(5)

九百十:泰子さんの話(807) ★蕎麦屋の倒産(5)


 便利になった筈の世の中で、私達は以前よりも用心深く生きなければならなくなった。「メールを見たら、まず騙しと思え。オレオレと来たら息子ではない。XXXコンサルタントと聞いたら、会社潰し屋だ。更には、人から親切にされれば、「何か裏があるのではないか」と疑え、である。世を渡る心得なのかも知れない。


 何とも味気ない世の中で、一体誰を信用して生きて行けばよいのだろう。そのうち、他人を信用する前に身分証明書を要求し、友人に会うにも契約書を交わし、蕎麦を食うにもコンサルタントの承認を得るようになるかも知れない。


 「あんまり寒かったので、危うく結婚しそうになっちゃった」という映画のセリフがあった。確かに、おもちつきはぬくもる。現代風に言い換えれば、「世の中あんまり騙し屋だらけだから、やっぱり結婚したくなっちゃった」となるかも知れない。後ろから撃たれる心配がない。

 結婚までしなくても、少なくとも蕎麦屋で大根の天麩羅を食わされない為に、舌だけは鍛えておいた方がよいようだ。


お仕舞い

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