九百九:泰子さんの話(806) ★蕎麦屋の倒産(4)
九百九:泰子さんの話(806) ★蕎麦屋の倒産(4)
考えさせられるのはそれだけではない。
昔なら、他人を騙そうと思っても、せいぜい口先で騙すしかなかった。ところが今では、誰もが情報を発信し、誰もが情報を簡単に受け取ることが出来る。先の経営コンサルタントの自己紹介も同じだ。これは大変便利な世の中だ。その一方で、「騙す側」と「騙される側」の間に、実に立派な高速道路が出来てしまったようなものだ。だから騙す方は、時速100キロで飛ばして来て騙し放題だ。
オレオレ詐欺、ロマンス詐欺、投資詐欺、そして何とかコンサルタントが、高速道路に乗って押し寄せて来る。名前こそ違うが、人間の「儲かりたい」「愛されたい」「困りたくない」という気持ちにつけ込む点では、大した違いはない。
私など、未経験ではあるが、ロマンス詐欺に遭えば案外簡単に引っ掛かるような気がする。そもそも、カタカナの肩書きを見ると、それだけで少し警戒したくなる。横文字というものは、意味が分からないほど立派に見える性質がある。
最近では外資系の生命保険会社で、大勢の営業マンが顧客を欺いたという事件があった。こういうニュースを見ていると、いつの間にか「騙された方にも落ち度がある」、いやむしろ「騙されるのが悪い」という気分にさせられる。考えてみれば変な話で、本来悪いのは人を騙した方である。
つづく




