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八百八十八:泰子さんの話(785) ★大金を盗まれた話(5)

八百八十八:泰子さんの話(785) ★大金を盗まれた話(5)


 原因の根本は、ネットで、つまり回線に繋がったパソコン操作一つで大金を動かせる仕組みそのものだ。かと言って、昔のようにネットに接続せずに、銀行窓口まで印鑑と通帳を持参して、イチイチ払い出しと振込み手続きを行うべきかである。

   

 実はこれは、やろうと思っても現代になってはもう不可能に近いのだ。そうする為には、先ず銀行の窓口で、数時間か半日は順番待ちで待たされるのだ。事前に時間の予約は出来るが、直ぐに金が要るという事態には間に合わない。


 しかもこっちは会社を経営している身である:相手先へ支払う金額が、たった1500円の時もあれば、一件で830万円の大金である時もある。支払い先も、月によっては、何十件の数となる。銀行窓口で一人の人間が、ウチの場合社長自らが、一件ごとに手書きし、丸一日を費やして振込用紙に記入するなんて、出来る訳がないのだ。


 犯行の手口が分からない為に、これを書いている現時点でさえ「いつ又、盗まれるかもーーー」と思うと、おちおちしておれない。会社の財産数億円が一瞬に消えて、今や即座に会社倒産もあり得る事件なのだ。経理を担当する配偶者と日夜対策を相談した。


つづく

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