八百八十四:泰子さんの話(781) ★大金を盗まれた話
八百八十四:泰子さんの話(781) ★大金を盗まれた話
つい最近、金を盗すまれた。大金だ。大手のA銀行に開設しているウチの会社の預金口座(=当座預金)から、一千万円を盗み取られたのである。
手口は、何者かがウチの人間になりすまして、先の金額をウチの口座から勝手に引き出し、同時にそれをB銀行のC社の口座(=泥棒本人の個人口座と思われる)へ送金したのである。なお、B銀行は実態の無い(=建物が無いという意味)ネット銀行である。犯行が行われたのは、X月X日の13時25分であった。
なお、送金されたC社の口座からは、入金と同時に直ぐに全額が引き出され、こっちが気付いた時には、残額は綺麗にゼロとなっていた。つまり、一千万円が煙のように一瞬に消えたのである。
一千万円は数字で書けば簡単だ。けれども、それを稼ぐにはどれほどの時間と労力が必要であるかを考えると、そう軽々しく紙の上に並べられる数字ではない。社員が働き、取引先と交渉し、税金を納め、利益を積み上げて、ようやく形成された金だ。
気付いた時点で、直ぐにA銀行側に通知すると同時に、被害の拡大の可能性を恐れて、ウチが取引する他の複数の銀行の全ての口座からの出金(=払い出し)を全て完全にストップさせた。さらに、同日の午後に、最寄りの警察へ出向いて届けた。ネット犯罪である。幸いにして、現時点で先の事件以上の被害の拡大は起きていない。
現在は警察で捜査が進行中であるが、そこから問題が始まったとも言える。犯罪には不思議な点がある:
つづく




