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1889/1948

八百七十七:泰子さんの話(774) ★A君の定年退職(6)

八百七十七:泰子さんの話(774) ★A君の定年退職(6)


 規則は会社を守る。だが、人は会社を育てているのだと自覚させられる: 八十五年生きてきて、私はその当たり前のことを、定年を過ぎた一人の営業マンから改めて教えられた気がする:会社とは建物ではなく、人である。


 人は年齢で終わるものでもなければ、給料だけで働くものでもない。もし人生というものが、好きな仕事を好きな人々と共に続ける旅であるならば、定年とは、その旅の終着駅ではない。ただ、景色の少し変わる通過駅に過ぎないのだろう。


 おなじ旅を同道しながら、A君にも会社にも、幸せな事が起きていると思って目下やっている。最後に経験的な大事な一言を付け加えたい:「仕事を面白がって好きな人というのは、実はもっとも信頼出来る人間の一人」である。放っておいても、手を抜く事はないし、騙す事もない。自分の仕事を愛しているから。


お仕舞い

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