八百十一:泰子さんの話(708) ★母校訪問と棚卸し(7)
八百十一:泰子さんの話(708) ★母校訪問と棚卸し(7)
けれどもそんな目でよくよく周囲を眺めると、むしろそういう人の方が多数派なのに改めて気づく。例えば:
・xxx教授に言われたから、研究室に残って学者になる道を選んだ。
・A造船所へ行けと言われたから、そんなもんかなあと思って、就職した。
・親に言われたからXXXさんと結婚した。
・会社から指示されたから、企画部へ移った。
・好きだ好きだと言われたから、結婚してやった。
・(結婚したいけれど)誰か私を好きになってくれないかなあーーー、と受け身に考える。
・会社から言われたから、3Dキャドの研修会に参加した。
沢山の例が外にもある。人から言われてするのは、自分で考えなくて済むし責任も分散出来る。その方が確かに「ラク」だ。坂本さんに限らず、考えて見れば90%の人がそうではあるまいか。人生の運転ハンドルを他人に握らせているとも言える。
多少ネガテイブな調子で書いたが、とは言え、人から求められる事をやって行くというのは、意外に悪い事ではない。そのおかげで世の中の大部分が上手く回っているのだから。
そう考えると、世の中には二種類の人がいるようだ:自分から仕掛けて行く人と、仕掛けられるのを待つタイプと。前者の人生は忙しく失敗も多いが退屈はしない。しかも、一所懸命になると自分の非力がいよいよ分かるから、悩みも多い。 対して後者は楽で安定しているけれども、何処か物足りない。
どちらが正しいかという話ではなく生き方の違いだ。ただ、もし自分に「やりたい夢」があるなら、受け身ではなく夢は結局自分から「仕掛けて」かなえるしかない。私は前者の「仕掛ける側」でしか生きられなかったし、そのおかげで今の自分がある。
73年ぶりの母校訪問は、懐かしさと同時に、人生の棚卸しまでさせてくれた。たった30分間ほどの集まりだったのに、時間の密度としてはなかなかのものだった。この場へ誘ってくれ、楽しい機会を与えてくれた関守町のS君には感謝している。
お仕舞い




