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婚約破棄された地味令嬢ですが、実は王宮一の補佐でした ~捨てたのは第一王子? いいえ、私は第二王子と国を立て直します~  作者: 紅茶うさぎ


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第116話 収束開始

 動いた。


 すべてが。


 同時に。


 煙の向こう。


 炎の先。


 そして都市の外。


 人の流れが変わる。


 逃げるのではない。


 集まる。


 吸い寄せられるように。


「……来ている」


 ルークが言う。


 地図の上。


 点が動く。


 線になる。


 そして。


 一箇所へ。


「全方向からです」


 エリシアが続ける。


「民、敵、東方軍――すべて」


 第一王子が笑う。


「やりすぎだろ」


 だがその声は、どこか楽しげだ。


 ガルドも言う。


「いい」


「分かりやすい」


 レオンハルトは、ただ見ている。


 収束点。


 そこに向かう全ての流れを。


 そして言う。


「配置を完了させろ」


 短い。


 だが。


 全てが動く。


 兵が走る。


 民が誘導される。


 物資が運ばれる。


 そして。


 “空白”が作られる。


 中心に。


 衝突のための場所。


 ルークが言う。


「内側、形成完了」


 エリシアが続ける。


「避難率、八割到達」


 第一王子が言う。


「十分だな」


 ガルドが吐き捨てる。


「足りねえがな」


 レオンハルトは答えない。


 分かっている。


 足りない。


 だが。


 止めない。


 その時。


 遠くに。


 旗が見える。


 赤金の鷲。


「東方軍」


 ルークが言う。


「到達まで、あと僅か」


 エリシアが言う。


「敵勢力も同時接近」


 第一王子が笑う。


「完璧だな」


 皮肉ではない。


 本当に。


 完璧な衝突。


 ガルドが言う。


「ここで全部終わるか」


「終わらせる」


 レオンハルトは言う。


 その一言。


 迷いはない。


 その時。


 黒い影が現れる。


 敵。


 密度が違う。


 今までとは。


 明らかに。


 中心戦力。


 そして。


 その奥に。


 あの男。


 外套の本体。


 立っている。


 動かない。


 だが。


 全てを見ている。


 レオンハルトは前に出る。


 距離が縮まる。


 戦場の中心。


 全てが交差する場所。


 男が言う。


「来たな」


 静かな声。


 だが。


 重い。


 レオンハルトは答える。


「来た」


 短い。


 その瞬間。


 後方で。


 大地が震える。


 東方軍が到達する。


 前方では。


 敵が構える。


 左右には。


 民と兵がいる。


 完全な収束。


 逃げ場はない。


 全てがここにある。


 男が言う。


「いい」


「これで終わる」


 第一王子が笑う。


「そうだな」


 ガルドが言う。


「全部まとめてだ」


 ルークが息を整える。


 エリシアが静かに目を閉じる。


 そして開く。


 レオンハルトは言う。


「始める」


 その一言で。


 世界が動いた。


 均衡。


 崩壊。


 そして。


 その狭間。


 すべてがぶつかる。

ここから完全なクライマックスです。


すべてが収束し、すべてがぶつかります。

次話はいよいよ“均衡の限界”です。


面白いと感じていただけたら、ぜひブックマークと評価で応援していただけると嬉しいです!

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