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婚約破棄された地味令嬢ですが、実は王宮一の補佐でした ~捨てたのは第一王子? いいえ、私は第二王子と国を立て直します~  作者: 紅茶うさぎ


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第111話 意図された崩壊

 「準備する」


 その言葉から、時間はほとんどなかった。


 夜。


 煙はまだ残っている。


 だが炎は抑えられ、都市はかろうじて均衡を保っていた。


 ――保っているだけだ。


 ルークが低く言う。


「配置、完了しました」


 エリシアが続ける。


「対象区域、限定済みです」


 第一王子が笑う。


「本当にやるんだな」


 レオンハルトは答えない。


 ただ前を見ている。


 ガルドが言う。


「そこは、切る場所だな」


「そうだ」


 短い。


 選ばれた区域。


 支援の“薄い”場所。


 だが。


 完全に切れば。


 崩れる。


 レオンハルトは言う。


「開始する」


 沈黙。


 その一言で。


 均衡が動く。


「支援を止める」


 ルークが命令を伝える。


 物流が止まる。


 配給が止まる。


 人の流れが変わる。


 わずかに。


 だが確実に。


 エリシアが目を閉じる。


「……来ます」


 その通りだった。


 最初は静かだ。


 ざわめき。


 不安。


 そして。


「……来ないぞ?」


「どうなってる!」


 声が上がる。


 秩序が揺れる。


 ほんの少し。


 だが。


 それで十分。


 第一王子が呟く。


「火種はある」


 ガルドが言う。


「燃えるぞ」


 その時。


 遠くで、爆発。


 だが今度は違う。


 速い。


 明確に。


 狙っている。


「……来た」


 ルークが言う。


「反応です」


 敵が動いた。


 こちらの“崩れ”に。


 食いついた。


 エリシアが言う。


「予測通りです」


「集中してきます」


 レオンハルトは動かない。


 ただ見ている。


 その流れを。


 そして。


 見える。


 黒い影。


 増えている。


 明らかに。


 今までよりも。


 密度が高い。


 第一王子が笑う。


「引き寄せたな」


 ガルドも言う。


「見事だ」


 だが。


 その代わりに。


 別の場所で、声が上がる。


「配給はどうした!」


「助けは来ないのか!」


 怒り。


 不安。


 そして。


 崩壊の兆し。


 ルークが低く言う。


「……始まっています」


 エリシアが目を伏せる。


「はい」


 分かっている。


 これは。


 意図的な崩壊。


 レオンハルトは言う。


「続ける」


 短い。


 だが。


 その言葉は重い。


 第一王子が言う。


「戻れなくなるぞ」


「戻らない」


 即答。


 迷いはない。


 ガルドが笑う。


「いいな」


「覚悟は本物だ」


 その時。


 黒い影の中から。


 一つ。


 違う気配が現れる。


 重い。


 今までよりも。


 明確に。


 強い。


 ルークが息を呑む。


「……来ます」


 エリシアが言う。


「本体に近い」


 レオンハルトは、ゆっくりと前に出る。


 ここからだ。


 この戦いの本質は。


 均衡を守る戦いではない。


 均衡を壊し。


 その中から。


 真実を引きずり出す戦い。


 そして今。


 それが。


 姿を現し始めていた。

ついに“自ら崩す”作戦が始まりました。


ここからは完全に後戻りできない戦いです。

そして敵の本体が近づいています。


面白いと感じていただけたら、ぜひブックマークと評価で応援していただけると嬉しいです!

次話もお楽しみに。

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