表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された地味令嬢ですが、実は王宮一の補佐でした ~捨てたのは第一王子? いいえ、私は第二王子と国を立て直します~  作者: 紅茶うさぎ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

110/120

第110話 次の手

 煙が、残っていた。


 さっきまでの戦場。


 敵は散り、火の勢いも弱まっている。


 だが。


 完全に収まったわけではない。


 そして。


 南側の空は、まだ赤い。


 レオンハルトは動かない。


 その場に立ち、ただ見ている。


 消えない炎を。


 届かなかった場所を。


「……間に合わなかったな」


 第一王子が言う。


 軽くはない。


 事実として。


 ルークが報告する。


「南区域、被害拡大」


「避難未完了の住民多数」


 エリシアは目を伏せる。


「……数字が出ます」


 それは。


 死者数。


 現実だ。


 沈黙。


 誰も軽く扱えない。


 その時。


 ガルドが近づいてくる。


「勝ったな」


 短い。


 だが。


「半分だ」


 レオンハルトが答える。


 視線は逸らさない。


 ガルドは頷く。


「分かってる」


 同じ景色を見ている。


 同じ現実を。


「……このやり方」


 ガルドが言う。


「続ける気か」


 核心。


 ルークが静かに言う。


「限界があります」


「はい」


 エリシアも認める。


「一点集中は有効ですが」


「繰り返せば」


「他が崩れます」


 第一王子が腕を組む。


「ジリ貧だな」


 その通り。


 削り合い。


 だがこちらは守る側。


 消耗が重い。


 レオンハルトは言う。


「変える」


 短い。


 全員が見る。


「戦い方を」


 ルークが問う。


「どう変えますか」


 レオンハルトは答える。


「探す」


「何を」


「本体だ」


 沈黙。


 ガルドが笑う。


「ようやくそこか」


 第一王子が言う。


「今までやってなかったのかよ」


「やっていた」


 レオンハルトは言う。


「だが」


 一歩踏み出す。


「優先していなかった」


 守ることを。


 優先していた。


 だが。


「このままでは持たない」


 エリシアが言う。


「はい」


「源を断たなければ」


「終わりません」


 ルークが続く。


「ですが」


「情報が足りません」


 第一王子が言う。


「なら引き出せばいい」


 全員が見る。


 レオンハルトは言う。


「誘う」


 一瞬の沈黙。


 ガルドが笑う。


「またか」


「違う」


 レオンハルトは首を振る。


「今度は」


 一拍。


「こちらから“崩れる”」


 空気が止まる。


 ルークが言う。


「……危険です」


「承知だ」


 エリシアが静かに問う。


「どの程度、崩しますか」


 レオンハルトは答える。


「一部を切る」


 第一王子が笑う。


「大胆だな」


 だが。


 その意味は重い。


 意図的に崩す。


 均衡を。


 自ら。


 ガルドが言う。


「……本気か」


「本気だ」


 即答。


 沈黙。


 そして。


 ガルドが笑う。


「いい」


「乗る」


 ルークが目を閉じる。


「……大きく出ましたね」


 エリシアが言う。


「はい」


「ですが」


 一瞬。


「これしかありません」


 レオンハルトは言う。


「準備する」


 短い。


 だが。


 全てを変える言葉。


 均衡を守る戦いから。


 均衡を“動かす”戦いへ。


 その先にあるのは。


 勝利か。


 それとも。


 崩壊か。


 まだ誰にも分からない。

ここから戦いは次の段階に入ります。


守るだけではなく、“動かす”選択――王の本当の戦いが始まります。


面白いと感じていただけたら、ぜひブックマークと評価で応援していただけると嬉しいです!

次話もお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ