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婚約破棄された地味令嬢ですが、実は王宮一の補佐でした ~捨てたのは第一王子? いいえ、私は第二王子と国を立て直します~  作者: 紅茶うさぎ


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第109話 一点集中

 炎は、広がり続けていた。


 だが――その流れが、変わる。


「……来る」


 ルークが低く言う。


 地図の一点。


 線が収束していく。


 予測通り。


 レオンハルトの指示通りに。


 敵が動いている。


「誘導、成功です」


 エリシアが静かに告げる。


 第一王子が笑う。


「かかったな」


 だがその笑みは短い。


 分かっている。


 ここからが本番だと。


「集まってる場所は」


「第二区域北端」


 ルークが答える。


「民間人の避難は?」


「完了率六割」


 沈黙。


 完全ではない。


 だが。


 時間がない。


 レオンハルトは言う。


「やる」


 短い。


 その一言で。


 全員が動く。


 兵が集まる。


 ガルド側も動く。


「こっちだ!」


 叫びが飛ぶ。


 民が道を開ける。


 完全ではない。


 だが。


 流れができている。


 共闘が機能している。


 そして。


 見えた。


 敵の密集。


 黒い影。


 まとまっている。


「……これだ」


 第一王子が言う。


 レオンハルトは前に出る。


「一気に叩く」


 ルークが頷く。


「了解」


 エリシアが目を細める。


「被害が出ます」


「分かっている」


 短い。


 だが。


 迷いはない。


「行け!」


 号令。


 一斉に動く。


 突撃。


 爆発。


 煙。


 だが。


 今回は違う。


 逃げ場がない。


 囲まれている。


「押し切れ!」


 第一王子が叫ぶ。


 ガルドも叫ぶ。


「逃がすな!」


 連携が噛み合う。


 敵が崩れる。


 初めて。


 明確に。


 流れがこちらに傾く。


 レオンハルトは前へ出る。


 中心へ。


 核を探す。


 そして。


 見つける。


 また。


 黒い外套。


「いたな」


 低く言う。


 距離は近い。


 今度は逃がさない。


 踏み込む。


 外套が動く。


 だが。


 遅い。


 腕を掴む。


 止める。


 その瞬間。


 外套の中身が、崩れた。


 軽い。


 異様に。


 第一王子が叫ぶ。


「……空だ!」


 沈黙。


 中は。


 人ではない。


 ただの殻。


 ルークが言う。


「……囮」


 エリシアが続ける。


「本体は別」


 その瞬間。


 遠くで、爆発。


 別方向。


「……分散した!」


 ルークが叫ぶ。


 誘導されたのは。


 こちらだけではない。


 敵もまた。


 誘導していた。


 第一王子が笑う。


「やりやがる」


 レオンハルトは言う。


「だが」


 周囲を見る。


 敵は減っている。


 確実に。


「削った」


 短い。


 確実な成果。


 ガルドが言う。


「……助かった」


 初めての言葉。


 認めた。


 だが。


 その時。


 兵が駆け込む。


「報告!」


「南区域、火災拡大!」


「避難未完了!」


 沈黙。


 エリシアが目を閉じる。


「……集中の代償です」


 ルークが低く言う。


「守れなかった」


 第一王子が言う。


「勝って負けたな」


 レオンハルトは動かない。


 ただ。


 遠くを見る。


 煙。


 炎。


 そして。


 まだ残る均衡。


 だが。


 確実に。


 削られている。

初めて“流れを止める”ことに成功しました。


ですが、その裏で失われたものもあります。


ここから先、王の選択はさらに重くなっていきます。


面白いと感じていただけたら、ぜひブックマークと評価で応援していただけると嬉しいです!

次話もお楽しみに。

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