表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された地味令嬢ですが、実は王宮一の補佐でした ~捨てたのは第一王子? いいえ、私は第二王子と国を立て直します~  作者: 紅茶うさぎ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

108/120

第108話 削られる均衡

 爆発は、止まらなかった。


 ひとつ収まれば、別の場所で上がる。


 火の手が、都市をなぞるように広がっていく。


「……広がり方がおかしい」


 ルークが低く言う。


「無作為ではありません」


 エリシアも頷く。


「はい」


「明確に“つなげて”います」


 第一王子が吐き捨てる。


「線で焼いてるな」


 その表現が、正しかった。


 点ではない。


 線だ。


 拠点と拠点を繋ぎ、崩壊を拡張している。


 レオンハルトは、燃え上がる区域を見つめる。


 そして言う。


「時間を削られている」


 短い。


 だが核心。


 ルークがすぐに反応する。


「はい」


「対応するたびに、次が来る」


「処理能力を超えさせる構造です」


 エリシアが続ける。


「均衡を“維持できなくする”ための設計」


 第一王子が笑う。


「厄介だな」


 だが笑いは軽くない。


 理解している。


 これは強い。


 レオンハルトは言う。


「対応を変える」


 全員が見る。


「対処ではなく、遮断する」


 ルークが即座に地図を広げる。


「……この線ですか」


「そうだ」


 レオンハルトは指を動かす。


「拡張の軸を切る」


「起点を叩くのではなく」


「流れを断つ」


 エリシアが頷く。


「理にかなっています」


「ですが」


 一瞬言葉を止める。


「人員が足りません」


 沈黙。


 第一王子が言う。


「全部は止められない」


「だから」


 レオンハルトは言う。


「止める場所を選ぶ」


 再び。


 “選択”の話。


 ルークが静かに言う。


「……削られています」


「はい」


 エリシアも認める。


「均衡そのものが」


 見えない圧力。


 確実に。


 じわじわと。


 その時。


「報告!」


 兵が駆け込む。


「第三都市、防衛線突破!」


 空気が凍る。


「……来たか」


 第一王子が言う。


 ルークが続く。


「連携しています」


「こちらの対応を見て、次を動かしている」


 つまり。


 読まれている。


 エリシアが呟く。


「……観測されています」


 レオンハルトは言う。


「なら逆に使う」


 一瞬の沈黙。


 ルークが目を上げる。


「……誘導ですか」


「そうだ」


 短い。


「見せる」


「選ばせる」


 第一王子が笑う。


「罠か」


「違う」


 レオンハルトは言う。


「選択だ」


 その言葉は重い。


 敵に。


 行動を選ばせる。


 エリシアが理解する。


「……偏らせる」


「そうだ」


「流れを一箇所に集める」


「そこで叩く」


 ルークが頷く。


「可能です」


「ですが」


 一瞬。


「そこに被害が集中します」


 沈黙。


 レオンハルトは答える。


「分かっている」


 短い。


 だが。


 重い。


 第一王子が言う。


「また選ぶのか」


「そうだ」


 迷いはない。


 だが。


 その代償は増えている。


 その時。


 遠くでまた爆発が上がる。


 今度は近い。


 熱が伝わる。


 エリシアが言う。


「……急がないと」


 ルークが続ける。


「均衡が持ちません」


 レオンハルトは動き出す。


「動かす」


 それだけ。


 だが。


 その背中に。


 わずかな影が差す。


 均衡はまだ保たれている。


 だが。


 確実に。


 削られている。

敵の狙いが見えてきました。


これは“正面からの戦い”ではなく、“削り合い”です。


ここから王がどう打開するのか――さらに厳しい展開になります。


面白いと感じていただけたら、ぜひブックマークと評価で応援していただけると嬉しいです!

次話もお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ