第104話 泥の街 十二日目―5
約一名、名前が出ないのは伏線じゃないっす。
カツオでもないです断じて。ほんとほんと
「………は? なぁシスター、これって……え、どういう事? なんでコイツが……」
仁科邸の下から噴き出すように現れた汚泥の巨人……その半分が砕け散り、上空で見えない網によって捕獲されている。久我山竜胆は一息つくなら今しかないと判断し、シスター・ルカが“神託”による治療と運搬を平行して行っていた神崎風音をその場に降ろさせた。
しかし、包帯型の“神託”で作っていた繭を解くと、その中にいたのは竜胆にとって意外な人物だった。
「えっ? この方は神崎風音さん………ではないのですか?」
繭の中にいたのは、右腕を肩口から失った二十代程の女性。
傷口は救出の時には既に塞がっていたが、それ以上の処置が施された様子が無い。かなり衰弱した状態で座敷牢に放置されていたようだ。
幸い、シスター・ルカの“神託”で多少の体力回復は済んでおり、危険な状態は脱している。
スマートな背広姿で穏やかに眠りについている女性は隻腕の痛々しさを除けば実に平和な寝顔だが、竜胆にはその女性が神崎風音ではないと断言できた。
「檸梨市“社”の退魔師だな。二週間前に九良名市の学園生たちと一緒に行方不明になってたが………仁科邸に監禁されてたのか」
「ど、どういう事なんですか? それでは本物の神崎風音さんは……」
「同行していた彼女がこうして無事なわけだし……たぶん、神崎風音を逃がすために身代わりで捕まったって事かもな。だとするなら本物は………」
竜胆とシスターは邸内で仁科亮がまっすぐに身代わりの女に向かって行くのを尾けたのだ。それはここにいる女を本物の神崎風音だと信じていたという事だろう。
「今の今まで身代わりが機能してたんだから、こいつも納得して神崎風音のフリをしてたはずだ。処分されてないって事はつまり、神崎風音は仁科亮の与り知らぬ所で無事でいる可能性が高い。本物がいれば彼女に用は無かったろうし」
「……無駄骨だったとは思いませんが、今回の私たちは色々と空振っていたと言うことですか」
後半に空振ったのは腹ペコなシスターがヘマしたせいなんだけど……と、竜胆はその時のことを思い出して頭痛を堪える。
あの苦労を空振りの一言で片付けてほしくはないものだ。
「お、いたな竜胆。仕事は済んだみたいだな」
意識の無い女の傍らに膝を突いていた竜胆たちに、コスプレっぽく改造を施された旧日本軍の軍服らしき衣装を着た少年……仁科黎明が声を掛ける。と、その後に続いて学生服の半分以上の面積が血塗れになっている仮面の少年……“規格外”も同行していた。
「仁科会長……ええ、まぁ。やることはやったんすけどね」
黎明の視線が横たわる女性退魔師へと向く。
それだけで事情を察したのか、黎明の表情が苦味を帯びながらも笑みの形に綻んだ。
「身代わりになってでも守って見せるなんて、本職の退魔師の鑑じゃないか。事が済んだら、彼女の治療はこちらで手厚く行うと約束しよう」
「宜しく頼みます………けれど、そうなると本物の神崎風音が何処に居るのか、ですよ。それに工藤正臣と磯野……いその…………磯野って男子生徒たちの行方も気掛かりです」
知力は高い方の竜胆だったが、どうしても“社”の報告書で見た磯野の名前を思い出せない。
常から人の名前を覚えるのは得意な筈なのだが、どうしたことか。まるで、何か見えない力wwに阻まれているかのようだ。
「そうだな、オレも手を尽くしてみよう。メリえもん、『○ずねびとステッキ』をくれ」
「結局ワタシが手を尽くすのカ……って誰がメリえもんダ。いくらなんでも、そこまで便利な秘密道具は無いかナー。でもたしか、特定の通力を探知する術符がこの辺りに――――」
メリザンドが『大部屋』の術式と同じ性能を持った腕輪型の“神託”―――傍目には空中に腕を突っ込んで消えたように見える―――を使い、目的の術符を探していた時。その場の何人かが警戒の目を向けた先から、ヒュルヒュルと音を鳴らして硬質な黒い物体が飛来してきた。
――――――ジャキンッッ!!
誰かにぶつかる軌道ではないことを確認してから、その物体が近くの地面に突き刺さる瞬間を見届ける。
そちらの方へ気を取られ、メリザンドの術符を探す手も止まっていた。
黎明は飛来した物の正体を認めるや否や、感心を思わせる喜ばしげな笑みを浮かべ、空気中に手を突っ込んでまさぐっているメリザンドに続きは必要無いと言って制した。
「なるほどな……おおよその居場所は分かった。全員、ここで待ってろ」
黎明は飛来してきた黒塗りの打撃武器……トンファーの持ち主に思い至り、飛んできた方向へと急ぎ向かった。
(あれって確か………あの時の)
トンファーはそれなりに珍しい武器で、戌孝が見た実物は記憶の中にも多くない。
故に覚えていた。檸梨市が結界で隔離される直前、上級退魔師が“凶堕ち”した個体と交戦中だった第三校生……その内の一人が所持していた得物だと。
その時に生徒会の者と名乗ったため、第二校の役員を知っている戌孝は身構えたのだが、校章が第三校の物だと気付いて警戒を解いたのだと記憶している。
その得物が飛んで来たということは戦闘の最中なのかもしれない。とは言え、少なくともこれは持ち主が生きているかもしれない根拠だ。
戌孝は通力の枯渇で助けに行けない自分が、何とも歯痒ゆく思えた。
★
10階建てを越えるビルやモール……その周辺を時おり大小様々な火花が彩る光景。それらを演出するのは、殺気に満ちている事を除けば花のある美しい女たちだ。
建物の周りを華麗に飛び回り、通力が生み出す光によって描かれる軌跡。その内の一つは“白面金毛”の手駒にして超級の実力者でもある“雷蹴脚”が残す鋭い線。そして“雷蹴脚”を空中戦にて苦しめている少女……カチューシャ型の術装により『万里鵬翼』という飛行系の顕術を使いこなす神崎風音が引く、滑らかな波紋の二つであった。
「ちぃっ! まるでハエねっ――――!」
キキンッッ!
風音による高速の接近から一刀、さらに殆ど間を置かず取って返した一刀に“雷蹴脚”の高々と掲げた足技が辛うじて追い付く。
風音が振るう刀と打ち合ったのだと気付いた時には、風音は既に迂闊な反撃を行えない間合いまで抜けている。単純なヒットアンドアウェイだが、速さに自信のある“雷蹴脚”でも、空中戦で風音と張り合う事が得策ではないと悟った。
『万里鵬翼』という顕術は浮遊した状態で任意の方向へ限りなく抵抗の少ないスライドを行えるものだ。
風音がしている様な自由度の高い運動は熟練の中でも一握りが可能なレベル。見た目には負担は分かりづらいが、フィギュアスケートに似た滑らかな動きの裏では顕術の継続した使用に、かなりの処理能力を割かなければならない。
ただ前後に動くだけでも10キロのマラソン並に疲労する顕術をこれ程までに平然と使い続けられる秘密は術装……風音が髪を留めている純白のカチューシャにある。
このカチューシャは風音の父親である神崎紫瞬が、同じく退魔師の仕事をしていた風音の母親に贈って……と言うより送って寄越した品だ。紫瞬が仕事先で手に入れたらしいこの品は、『万里鵬翼』の発動と処理の継続を最高効率で補助し続ける事に特化した代物。今は亡き、母親の形見であった。
尤も、そんな事はお構い無しに破壊を狙って何度か攻撃を仕掛けられたが、全て防御、または回避している。その際の動きが少しだけ過剰になってしまい、要となる術装と見破られたのだが。
とは言え、それが分かったところで空中戦闘では大きなアドバンテージを取られている以上、攻撃を当てる事すら困難な“雷蹴脚”は破壊を断念し、戦法を変えることを余儀なくされていた。
『万里鵬翼』の利点は、浮遊中は運動時の抵抗を限りなく減らせること。風音がひとたび『虚空踏破』で踏み込めば、そのスピードを維持……どころか加速し続ける弾丸の出来上がりだ。おまけに軌道は自由自在で、身体への負担を無視するなら不可能な動きが無い。
例えば、カウンターの間合いに誘い込まれ、反応しているのに肉体が追い付かない事態になったとしても。突っ込んで来た速度のまま真逆に方向転換も出来てしまう。
“雷蹴脚”にしてみれば、そんな反則じみた相手の土俵で戦うなどあり得ない。
兎に角、風音が好き勝手に主導権を握らないために、“雷蹴脚”は常に建物を背負うか足場にして戦っていた。
縦横無尽に駆け抜ける風音による三次元の空中戦術を制限したのだが、当然ながらそれ以外にも鬱陶しい問題が二人ほどいるため、最早どこにいても苦戦を強いられている。
風音に追いやられる形でビルの屋上まで駆け上がっていたその時、建物の内部から目が痛くなりそうなアイドル衣装に身を包んだ腕が、壁をぶち抜いて“雷蹴脚”の足首を掴んだ。
「ハエの次はモグラ!?」
ドガンッッ!
きらびやかな腕の主……久我山絢里は一瞬で“雷蹴脚”を建物内に引きずり込み、その勢いのままに内側の壁に叩きつける。
それだけに止まらず、衝撃で体勢の立て直しが出来ていない内に畳み掛け、掴んだ足をテニスのスイングよろしく振り抜いた。
ドガガガッッ――――!!
内装を破壊しまくるフォアハンドストロークを受け、ダメージは軽くともプライドが傷付きっぱなしの“雷蹴脚”が小さく苦悶の声を漏らす。その声は壁が粉々になる音に埋もれ、誰の耳にも届かず消えていった。
そして、絢里が丁度くるりと一回転したスイングの向かう先は再びの空中。
パッと足首から手を放した直後、ここは自分の領域だとばかりに待ち受けているのはやはり、神崎風音だった。
「っだあ―――もう!!」
風音の渾身の袈裟斬りを身体を捻って躱し、直後、一目散に地面へ向けて疾走する。
制空権を取られるのは痛いが、風音の領域でやり合っていても分が悪いだけ。戦術的撤退は至極まっとうな判断だ。
だがそれでも、堪らず逃げ出した事実に変わりはないため、屈辱や怒り、悔しさで腹の底が煮立つ寸前であった。
それに地上へ降りたら降りたで、そこには別の厄介が待っている。正直、風音と空中戦をするのと同等に面倒な相手だ。
むしろ鬱陶しさで言えば風音よりも質が悪い。それは先ほど頭のおかしなアイドルモドキが最初に乱入してきた時からの数分で、地上にはいたくないと思わせる程に。
「俺のっ、ターーーーッッッン!!!」
ガキンッ ギリリリィ――――
“雷蹴脚”が地上に降りた瞬間、横合いから繰り出されたトンファーの打撃と、胸の辺りまで上げた膝が激しくぶつかり合う。
工場などで金属を加工でもしているような音は、その接触の重さや鋭さを物語っていた。
「ふはははーっ、この時を待っていた!! 堂々と名前を名乗れるこの時を!! 俺の名前は磯野 か――――」
ガンッッ!!
外套のフードを取っ払い姿を晒した九良名学園生徒会……磯野の名乗りを待たずに“雷蹴脚”の蹴撃が側頭部に炸裂した。
神崎紫瞬が街に居ると知った仁科亮に目を付けられ、同行していた退魔師の女性が身代わりに囚われてからの数日間、救出の機会を窺って行動を共にしてきた磯野への扱い………これには風音も、流石に同情を禁じ得ない。
工藤が仁科邸への仕込みを終えるまで、風音は磯野と二人、身を隠しながら多くの危険を乗り越えて来ただけに、この仕打ちは些か哀れだ。
「うぅ、どうせ言えないと思ってたよ………けど」
「っ!」
しなやかな姿勢から磯野の側頭部に叩き込まれたキレのある回し蹴り。それが頭に到達する寸でのところで、二本のトンファーがガッシリと受け止めていた。
強者という自負がある“雷蹴脚”としては、能力的には明らかな格下の少年までもが自分の攻撃を容易く止める事実が、過去数十年で最も精神的に堪える出来事であろう。
「せめて活躍の場だけでも貰っていきますよ、お姉さん」
「が――――っ!?」
磯野の動きに激しい違和感を覚えたと思ったら、“雷蹴脚”の視界がグラリと揺れた。
何が起きたのかの正確な把握は出来なかったが、意識が乱れる中で辛うじて認識が及んだのは、磯野のトンファーが刹那の間に三打……“雷蹴脚”の軸足と腰、そして眉間へと、体幹が崩れる絶妙な衝撃とタイミングで打ち込まれた事だった。
“雷蹴脚”を襲ったのは、言ってみればたった二本の棒きれだ。頑丈な素材に加え通力による強化が施されただけの、特別な能力も備わっていない平凡な打撃武器。
その筈なのに、この鋭さがしつこく粘りつく様な気持ち悪い体術……いや、達人級の武術か。貶したわけではなく、“雷蹴脚”をもってしても厄介だと言わしめる程の洗練された技量が、気持ち悪いぐらいに追い詰めていく。
今や“雷蹴脚”は長年で身体に染み付いた自動行動とでも呼ぶべき反射だけで、白濁とした視界と意識の中、必死に磯野による追撃から逃げ続けている。
トンファーの形状は、拳の先から肘を越えた辺りまで伸びる50センチ弱の棒に、持ち手となる小さな棒を垂直に取り付けた物。握りの部分をクルリと回転させる事でリーチを変化させたり、回転の勢いのまま打撃を加えても良い。
刃物ではないため、握りの箇所を変えれば金槌のような使い方も可能。
そして腕と並行になるよう握れば、あっという間に盾に早変わり。
武器の有り様としては多種多様で、正しく攻防一体だ。
(ちくしょおっ! 何なのよっ、どいつもこいつも!)
漸く意識がハッキリしてきた“雷蹴脚”が推察するに、磯野の攻撃で驚嘆に値するのは達人クラスの技量のみ。『不動障壁』などの耐久性能を抜くだけの突破力は欠けている。
速さを見ても、磯野のそれはあまりに凡庸なレベルと言えた。
であれば何故、“雷蹴脚”である自分が目の前の少年を振り切れず、まるでガードをすり抜けるかのように幾度も打撃を全身で受けねばならないのか?
老獪さすら感じさせるフェイントや熟達の先にある体捌き、膨大な戦闘経験を積まなければ得られない読みの正確さ。ある意味では黒沼公浩よりも学生らしからぬ技能が、逃げる自分に茨の如く纏わりついてくる。
認めたくはないが、受け入れるしかない。この如何にもバカっぽい磯野とかいうガキは……自分よりも戦闘技術において勝っているのだと。
足技を叩き込めばガードされ、カウンターを狙えば即座に返され、防御の姿勢を取ったかと思えばクルリと回転したトンファーが、今まさに“雷蹴脚”の下顎を掬い上げる勢いで打ち据える。
端から見ている分には、実に見応えのある妙技の嵐であった。
(すごいな………彼と、神崎風音。さっきは勢いで参戦してしまったが、これなら)
“雷蹴脚”を捕獲する事が出来そうだ。
十数分前までフードで顔を隠していた風音と磯野に対して少なからず警戒していた絢里は暫く様子を窺っているつもりだったが、黒沼公浩の名前が出た事や、“雷蹴脚”の敵という立場が見てとれたため、風音たちに姿を曝して共闘を申し出てみた。
謎のアイドル?の登場に今度は風音たちが警戒の色を濃くしたが、絢里が合言葉よろしく公浩の鬼畜さを語って聞かせると、戸惑いがちにではあるが“雷蹴脚”の捕縛という目的を共有できる程度には信用を得た。
ひらひらの衣装を見る風音からは同情の視線を、胸まわりをガン見する磯野からは鼻息荒い視線を受ける羽目になったが………
「久我山さん、聞きたいんですけど」
「なんだ? 神崎」
磯野の戦闘にはかなりの安定感があるため、下手な介入は邪魔にすらなりそうだ。加勢のタイミングを図りつつ、風音と絢里は文字通りの高みの見物に入っている。おまけに無駄話に入るだけの余裕まで。
下方で展開されている格闘など無いかのようなフレンドリーな空間が生まれていた。
「ここに来る前、公浩くんと少しだけ話してきたんですけど、随分と生き生きしてたと言いますか………何かありました? 公浩くんとは仲いいんですか?」
「ん? まさか、奴は敵同然だ。この格好を見てみろ……いや、やっぱり見ないでくれ。恥ずかしさでどうにかなりそうだ……」
絢里の言葉を聞き、風音はホッと息を吐く。
この久我山絢里なる生徒会長氏は、どうやら公浩へ不穏な感情を抱いてはいないらしい。我知らず切っ先を向けそうになっていた刀を下ろした。
公浩の話題が出て絢里の頬が赤みを帯びたのは服装による羞恥心のせいだと信じて。
「だが、私がいくら奴を煙たがっても、あのサディストの方が執拗に付きまとってくる」
ピクッ
ホッとしたのも束の間、風音の瞳から途端に光が抜け落ちる。
まさかとは思うが、あの黒沼公浩が自分から絢里にアプローチしているのか? と考えられなくもない言い回しに、風音の心が南洋の嵐が如く時化まくっていた。
「まぁ、色々あった末の約束で仕方ないんだが。それにしたって、もう許してくれても良いだろう? 街の人間への娯楽としてならまだしも、暇を見つけては恥ずかしい衣装を送ってきたり、あんな事やこんな事なんて………いけしゃあしゃあと。ええいっ、差し入れなどいるものかっ……(でも貰った)」
フラッシュバック?なのか知らないが、あんな事とかこんな事とかを思い出して赤面し、むにゅっと自分の身体を抱いて身悶えている。自覚が無いようだが、その姿は同性からしても扇情的で、風音の中に警鐘を鳴らすには十分過ぎた。
絢里は近頃、心的要因から良くも悪くも我を失いがちである。そんな不安定さを差し引いても、これは明らかに新たな被害者の登場を意味していた。
「と、ところで神崎。唐突ですまないが、黒沼には誰か………決まった相手はいるのだろうか? あ、いや……もしいるのであれば、奴と距離を置く理由になると思って、な」
「………ええ、いますよ。ばっちり」
絢里の幸福そうな表情が一変、どん底とも思える程に沈みこんだ。
落ち込むくらいなら聞かなければ良いのに……と思わなくもないが、風音にとって絢里の気持ちは理解に難くない。
心の何処かに希望的観測というのは存在する。そのせいで風音も、告白の段階で鶫に後れをとったのだから。
それに絢里も、考えてみると納得がいった。
黒沼公浩は心根が優しく、危険を承知で檸梨市へやって来たのも仲間の身を心配しての事だと聞いている。しかし、それでもこんな死地同然の場所に単身乗り込んで来るリスクを侵す理由としては弱い。
実のところ、そのカノジョとやらが檸梨市にいたのではないかと、絢里は勘繰っていた。
「そう、なのか。いるのか…………済まないな、神崎。奴との距離を詰めすぎたかもしれないが、気を悪くしないでくれ………大丈夫、奴はお前に不義理なことは一切――――」
「誤解を解いておきますけど、私じゃありませんよ。後輩の女の子です」
「っ――――なら………そうか、先程の白髪の女だな? なるほどな。私と神崎がここに来るよう仕向けて交際の事実を知らしめようとしたと………まったく、こんな回りくどい事をせず、私は用済みだとハッキリ言えばいいものをっ」
「ちょっと待ったあ!! その女の子の話を詳しく――――」
ぎゃああああっっ!! 助けて神崎しゃぁあん!!
例のごとく我を失っていた絢里と、もはや磯野どころではなくなっていた神崎の下方。ついにブチギレたのか、“雷蹴脚”が横一閃に脚を振り抜くたびに無数の雷が放射状に放たれ、磯野を襲っている。
周囲の物を悉く貫き破壊し、焦げ跡を残していく攻撃に、対人格闘以外はそこそこでしかない磯野は、火力の前になす術無く追い立てられていた。
粘着質を活かして近接戦に持ち込み、相手の火力を封じている限りは磯野が後れを取る事は無いと安心していたのだが、相変わらず詰めが甘い。
下手に邪魔をしないよう磯野が相手の体力を削るまで待っていたが、流石は“雷蹴脚”と言ったところ。そう都合よくはいかなかったようだ。
「世話が焼けるんだから………久我山さん、事情があって公浩くんはまだ真剣な関係に踏み切ってないとだけ伝えておきます。だから今は集中してください」
「……引っ掛かる言い方だ。私が黒沼の事で心を乱したように聞こえるが………まぁ分かった。黒沼の話は後でじっくりな」
後で話を聞く程度には、しっかり公浩の事が気になっているのだと、絢里は気付いていない。
気持ちに無自覚なのか、素直に認められないだけか。どちらにしても以前の自分と重なる部分が多い絢里に、風音は妙に親近感を抱きながら磯野の救援に向かった。
助けて○ズマしゃぁあん!!
………思わずセイクリッド潜伏したくなるセリフだと後で気付きましたが、美少女じゃなくてスミマセン
第5回キャラクター仕分け
“サブタイ考えるのめんどくさくなった編”
・澪
……サイズ A
フォルム 優
威力 弓級
Q、好きな○ービィの能力は何ですか?
A、そうですわね………ミラーとかストーンが好きかしら?
Q、ぶふっ (ムネを見て)
A、………やっぱりスパークとかも好きですわ
Q、あばばばば!!!???
・久我山 絢里
……サイズ G
フォルム 優
威力 戦艦級
Q、○ルソナ3を知ってます?
A、おい止せっ、私とは似てないからな!? 巨乳で生徒会長で髪が波打っててもだ!
Q、えー? ほんとにござるかぁ? ―――どわっ!? 九節棍振り回さないで!!
A、質問を変えろ
Q、え、えーそれでは……久我山竜胆氏のことは普段、何と呼んでいますか? 次の中から選んでください。
・お兄ちゃん
・兄さん
・兄貴
・あにちゃま
・兄ぃ
A、なぜ選択肢が………あ、いや、『兄さん』だけど
Q、では、次の質問を。主人Kの呼称で適切なものを次の中から選びなさい。
A、もはや質問ですらないし……
・Pくん
・Pさん
・Pちゃん
・ピータン
・アドミラール
A、……………
Q、そんな目で見ないでください。さあ、答えて早く。尺詰まってますよ?
A、き………Kくん、とか? ※照れ
Q、(か、かわいい……)




