5/23
閑話1 婚約を押し付けられた理由(わけ)
ここは読み飛ばせます。詳細が知りたい方はお読みください。
第1話と第2話の間の話です。
王命での婚約の原因は、ほぼ間違いなく俺にある。
この国では、10歳でスキル判定を受けた後、貴族は社交界に出るのが常識だ。
だが18歳になった今も、俺は一度もまともに参加していない。
理由は単純。
面倒だからだ。
……いや、正確には「危険だから」である。
辺境伯家という家柄に加え、この外見。
エメラルドの瞳に薄茶の髪――両親譲りの容姿のせいで、幼い頃から令嬢たちに異様なほど言い寄られてきた。
最初は悪い気はしなかった。
だが――あれは愛ではない。狩りだ。
囲まれ、押し倒されかけ、服を引きさかれたこともある。
幼い時分は命の危険すら感じた。
だから俺は逃げた。
舞踏会の招待はすべて拒否。
ついには王城からの使者すら追い返す始末。
その結果――
「奔放な辺境伯令息」
そんな不名誉な評価が定着した。
……まあ、わざとやっていた部分もあるが。
だが今回は違った。
舞踏会ではなく、王からの直接召喚。
嫌な予感しかしなかったが――
結果はこの通りだ。
つまりこの婚約は”処分“ということだ。




