第117話 ランシーア出発
私達はリズシーレさんの部屋を後にして、それぞれの部屋に戻って行った。
その翌日から私はアイシャとクウネと一緒に、剣の鍛練を本格的に始めた。
私は念動を使ってとはいえ、こんなにしっかりと自分で剣を振るのは、かなり久しぶりだったので、小さい頃から体に叩き込まれている剣術の動きと念動を確認しながら、三日間しっかりと剣を振った。
クウネもアイシャから今までの打撃技に加えて、ククリナイフを使っての戦闘術の手ほどきを受けていた。
更に合間の時間には、小盾を飛ばして私が乗ったり、クウネが乗ったりしての連携の練習もみっちりと行った。
イスネリとナヴィはリズシーレさんの部屋に籠りっきりで、たまにイスネリが私達と一緒に外に槍を振りに来たりしたが、ナヴィはずっとリズシーレさんの部屋でどんなスキルが使えるのかを試していた。
こうしてそれぞれに腕を磨いて三日が過ぎ、私達がランシーアを去る前日になった。
その夜、私達はリズシーレさんの部屋を訪ねた。
「リズシーレさん。短い間でしたけど、お世話になりました」
「いや、こちらこそ。私も聖樹を取ってもらったり、精霊獣や神竜と会わせてもらったりして、君達との貴重な体験に感謝しているよ」
「明日の早朝にここを発ちますけど、また必ず来ますね」
「ああ、いつでも遊びにおいで。歓迎するよ。イスネリさんだったら、二日もあればモーネサウラからここまで飛べるだろう?」
「はいですの」
「私もまた頼み事をするかもしれないからね。時々来てくれると嬉しいよ」
私達はリズシーレさんとノユンにも最後に挨拶をして、各自の部屋で出発の準備を整えて、ランシーアでの最後の夜が過ぎていった。
ー◇◇ー
翌朝、やっと空が明るくなりだした頃、アルメダさんのキャラバン隊が出発準備をしている広場へと私達が到着すると、キャラバン隊の人達が馬車の荷台へ最後の積込み作業をしていた。
私達はアルメダさんを見つけ、声を掛ける。
「おはようございます。アルメダさん」
「おー、おはよー! また今日からよろしく頼むな!」
「はい。よろしくお願いします」
そしてミレニアさんの姿も見つけて、挨拶をした後、ジャーバさんの所に行って、護衛担当の打ち合わせをした。
朝日も完全に昇りきり、辺りもすっかり明るくなって出発の時間を迎えた。
アルメダさんがキャラバン隊のメンバー全員を集めて声を掛ける。
「それじゃ、これからモーネサウラに向かって出発する。皆、よろしくな!」
全員、行きの時と同じように五台の馬車にそれぞれ散っていった。
駝竜に引かれた五台の馬車はランシーアの町の中を走り、町の出口へ向かって行く。
私は馬車の上から町の景色を眺めていると、アルメダさんが私に尋ねてきた。
「なあ、ラフィーネ。ランシーアの町はどうだった?」
「はい。楽しかったですよ。リズシーレさんも優しかったですし」
「そうか。それなら良かった」
なんかいつもより少し大人しい感じのアルメダさんに少し戸惑いながら、隣に座るアイシャと顔を見合わせた。
アルメダさんが続けて話す。
「またいつかラフィーネ達に護衛を頼む時があると思うから、そん時はまたよろしくよ」
「もちろんですよ。アルメダさん。その時はまたよろしくお願いします」
アルメダさんは私の方に振り返って笑顔になると、また話し出す。
「ありがとな。まあ、今回の行商もまだ終わってないけどな。『家に帰るまでが行商』ってな」
これから六日間かけてモーネサウラに帰るのだが、この間にモーネサウラで、ちょっとした事件が起きていた事など、私達は知る由もなかった。
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