第114話 使い方は人それぞれ
アルメダさんのブースを離れ、私達は広場に出ている他のブースを回る事にした。
他の地域から来ている数多くの行商がその広場で隙間なくブースを出していて、実に色々な物がそれぞれのブースには陳列されていた。
お客さんもいろんな地域からも来ているみたいで、広場の中は本当に活気に溢れていた。
私はそのずらっと並んだブースを眺めながら、アイシャに話し掛ける。
「いろんなお店があるんだねー。なんかプルメイの露店通りに似てるけど、売ってる物は全然違うね」
「そうですね。様々な地域から行商が来るそうですから、名産品が多いですね」
「そうだねー。あっ! あそこのお店、剣とか置いてる! ちょっと見に行こうよ」
私は一つのブースが剣や槍、盾などを陳列しているのを見つけ、そのブースに向かった。
そのブースの前に行くと、感じの良さそうなお兄さんが声を掛けてきた。
「いらっしゃい。お嬢さん達。剣を持っている所を見ると冒険者ですか?」
「はい。そうなんです。ちょっと見せてもらってもいいですか?」
「どうぞ、どうぞ。ここには並んでない商品もあるんで、もし探し物があるんでしたら、聞いてくださいね」
私は並んでいる盾を見ながら、そのお兄さんに尋ねる。
「今、並んでいる物より少し小さめの盾ってありますか?」
「小盾ですか? ちょっと待っててくださいね」
お兄さんはブースの奥に入り、すぐに五、六枚の盾を両手に抱えて戻って来た。
全部、私の首から腰までがすっぽり隠れるぐらいの大きさの盾だけど、その形はそれぞれ違っていた。
お兄さんがそれを一枚づつ並べて見せてくれた。
「大きさはこのぐらいでいけますか?」
「そうですね。大きさはちょうどいい感じです」
「小盾はあんまり需要がないんで、在庫はそんなにないんですけど、気に入った物があったら言ってくださいね」
私は並べられた盾を一枚づつ確かめて、その中の一枚を手に取った。
「これ、形がいい感じかも」
アイシャに振り返って聞いてみる。
「お嬢様の感覚ですから。お任せしますよ」
「そうだよね。なんか丸い盾よりこの形の方が乗りやすそうなんだよね」
私が手に取っているのは五角形の盾で、特に装飾は施されていない、質素な小盾だ。
私はお兄さんにバレないように念動を使って、その盾を手に持って色んな角度から見てみる。
端から見ると、私が軽々と盾を持っているように見えるので、お兄さんが思わず聞いてきた。
「お嬢さん。見た目と違って結構、力あるんですね」
「あはは、これでも冒険者やってますから」
私はこの盾を購入する事にして、お兄さんにお会計をお願いした。
お兄さんがお会計をしながら、笑顔で私に話し掛ける。
「買ってもらってますから、何に使うかはお客さんの自由ですけど、盾にはあんまり乗らない方がいいですよ」
私はお兄さんに苦笑いで返した。
そして心の中でお兄さんに答えた。
私、盾を盾として使った事、ありませんから…。
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