第113話 謎が解けました
アイシャとの剣の鍛練を一段落した私はバックラーを二枚出して、飛ぶ練習もしてみた。
だけど、二枚のバックラーの上に乗って、念動で動かすとどうしてもバランスを崩して何度も落ちた。
その様子を見ていたアイシャが私に言ってくる。
「お嬢様。やっぱりもう少し大きめの盾とか一枚の板状の物の方が良いと思います」
「やっぱ、そうだよねー。別々の板だと操作もバランスも難しいんだよね。でも、大きな板とか持ち歩きたくないしなー」
「だったら、バックラーより大きめの小盾なら、背中に背負っても違和感ないですし、もちろん盾としても使えますから、実用的だと思いますよ」
「ああー、なるほど。じゃあ、後で武器屋さんに見に行こっか」
私達は朝の鍛練を終えて、リズシーレさんの家に向かった。
「そういえば、イスネリはナヴィと一緒にリズシーレさんの所に行ってるんだよね?」
「はい。そうですね」
「クウネは?」
「何も聞いてないですけど、まだ寝てるかもしれないですね」
私達は午後からアルメダさんのお店に行く約束をしているが、朝は自由行動と言ってあるので、皆それぞれで朝の時間を過ごしている。
私とアイシャは自分達の部屋に行く前にクウネの部屋に寄ってみた。
ノックしても返事がなかったので、扉を開けて覗き込んだ。
…豪快に寝ているクウネがベッドにいた。
「寝る子は育つ、ですね」
アイシャがボソッと呟いた。
お昼を過ぎて、私達は集合してアルメダさんのお店に向かって歩いていた。
私は歩きながら、イスネリに話し掛ける。
「イスネリは朝、リズシーレさんの所で何してたの?」
「ナヴィちゃんの検証に付き合ってましたの。あと、リズシーレさんが一目で私が神竜と見抜いた事が前から気になってましたので、それを伺ってましたの」
そういえば、確かにリズシーレさんは初めて私達に会った時にイスネリが神竜って気付いてたな…。
「で、リズシーレさんはなんて?」
「はい。リズシーレさんには恩恵索眼というスキルがあるそうで、それでわたくしがスキルで姿を変えている事がすぐに分かったそうですの」
「へー、それで神竜だって事も分かっちゃうんだ」
「そうらしいですの。この恩恵索眼は人間で授かった人はいないらしいですの。だから人間にわたくしが神竜と見抜ける人はいないだろうとも言っておりましたの」
「そっかー。リズシーレさんはエルフだもんね」
そんな話をしているうちに、私達はいくつものキャラバンの人達がお店を出している広場に到着した。
私達はすぐにアルメダさんのブースに向かった。
アルメダさんの所のブースは女の人ばっかりだから、よく目立つし、やっぱり男性客が多い。
私達はブースの前に立っているミレニアさんを見つけ、声を掛けた。
「ミレニアさん! 遊びに来たよ」
「…あ、ラフィーネさん。皆さんも。いらっしゃい」
ミレニアさんも私達に気付き、満面の笑みで挨拶してくれた。
「アルメダさんはいますか?」
「…えっと、どうだろう? あ、ジャーバさん。アルメダさんは今どちらにいますか?」
ブースの奥で作業していたジャーバさんがミレニアさんに呼ばれて店前まで来てくれた。
「えー、キャプテンはさっき、買い出しについて行ったよ…。って、ラフィーネさん達じゃん! 来てくれたの?」
「あはは、はい。来ました。ジャーバさん」
「あー、そうかー。キャプテンはさっき出てったトコだけど、そんなに時間はかからないと思うんだけどな…」
「仕方ないですよ。私が来ること予め言ってた訳じゃないですし。急に来た私達も悪いし」
「いや、悪いなんてとんでもない。ただラフィーネさんが来たのにタイミング合わなくて、自分だけ会いそびれたってキャプテンが知ったら、あの人絶対スネるから」
「あはは、じゃあ、他のお店も周りながら、また出直して来ますね」
「気を使わしてごめんね」
私達がジャーバさんとミレニアさんにそう伝えて、ブースを離れようとした時に、クウネが急にジャーバさんに近付いて何故か小声で質問をした。
「ねえ、ジャーバさんは男なのに一人だけなんでこのお店に入れたの? アルメダさんって男の人嫌いなんだよね?」
それ、私も気になってた!
ジャーバさんも小声でクウネに答え、私はその答えに聞き耳を立てた。
「俺、キャプテンの従兄弟だから。お互い小さい頃から知ってんのよ。だからキャプテンは俺が大丈夫なんだよ」
…ふう。一つ謎が解けたわ。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
続きが気になるとか、面白いと思った人は是非、ブックマークで応援をお願いします!!
☆
広告の下にある☆評価をしていただけると、作者のやる気がめちゃくちゃ上がります!
凄く励みになります!
今後の物語作成の参考にさせていただきますので、是非お願いしますm(_ _)m
よろしくお願いします!(。-人-。)




