第110話 本当の目の色
空を飛ぶイスネリの背中から太陽が地平線に沈んでいくのが見えた頃、前の方にランシーアの町並みが見えてきた。
イスネリは町とリズシーレさんの家のちょうど中間あたりの森に降り立った。
私達はイスネリの背中から降りると、辺りはすっかり暗くなっていた。
アイシャが私にそっと耳打ちする。
(迷子にならないよう、念のためにミレニアさんを送った方がいいと思いますが…)
(そうだね)
私はミレニアさんに話し掛けた。
「ミレニアさん。本当にありがとうね。急だったから、報酬とか考えてなかったけど、必ずお支払いしますから」
ミレニアさんはぶんぶんと首を横に振って答える。
「…ううん。そんなのいらないよ。またクエストに誘ってくれるだけでいいから」
アイシャがそれに答える。
「ミレニアさん。それは受け取ってください。今回はちゃんとした貴女への依頼ですから。またクエストにお誘いする事もお約束しますので」
ちょっと困った顔をしたミレニアさんだったが、
「…んー、分かりました。そういう事なら…。でもお金とかなら、そんなにいらないですからね」
「ありがとうございます。では後日必ず用意致しますので。では今日は宿まで送らせてもらいますね」
ちょっと驚いた顔をしたミレニアさんだったが、周りの森を見た後、私達に向かって、恥ずかしそうにしながら言った。
「…あ、ありがとうございます。よ、よろしくお願いします」
…あ、自分が迷子になるって察してくれた。
私達はみんなでミレニアさんをキャラバン隊の使っている宿まで送ると、ミレニアさんと別れて、リズシーレさんの家に戻って来た。
私達はリズシーレさんにノユンの水晶を渡す為にリズシーレさんの部屋に向かった。
リズシーレさんが部屋にいたので、全員で入って行く。
リズシーレさんは机で何か作業をしているようだったけど、その手を止めて私達に話し掛ける。
「無事に帰って来たんだね。お帰り」
「ただいまです。リズシーレさん」
早速私は鞄からノユンの水晶を取り出し、リズシーレさんに見せる。
「はい。リズシーレさん。ノユンを連れて来ましたよ。私達にも言ってくれればよかったのに」
「うん? ああ、封印する石だなんて言ったら、嫌な役回りを君達に押し付けているみたいだろう? 君達の事を思った私なりの気遣いだったんだけどね」
リズシーレさんは机に置かれた水晶を覗き込み、話し掛けた。
「やあ、ノユン。久しぶりだね。元気だったかい?」
「リズちゃん…。精霊を封印しておいて、元気かい?って何の冗談だよ」
「ははは、確かにそうだね。質問を変えよう。どうだい? その中の居心地は?」
「そうだね。ちょっと狭いのが難点だけど、精霊の僕にとっては快適な空間だよ」
「それは良かった。君の為に用意した甲斐があったよ」
「僕の為に?」
「まあ、その辺りの話はまたゆっくり二人きりの時にしてあげるよ。それでラフィーネさん。聖樹は取って来れたかい?」
リズシーレさんに言われて、私は聖樹の詰まった革袋をリズシーレさんに見せた。
「この通りです。一杯にしてきましたよ」
「ああ、ありがとう。これで私の研究もはかどるよ」
私はリズシーレさんにその袋を渡した。
リズシーレさんは私達の横にいるナヴィに話し掛ける。
「ナヴィちゃん。ちょっと顔を見せてもらってもいいかな?」
「はい。別にいいにゃ」
ナヴィはリズシーレさんの前まで出てきた。
リズシーレさんはナヴィの顔を覗き込んで、ふんふんと頷いて私達に話す。
「だいぶ精霊の力も戻ってきているね。目の色も戻ってきたみたいだね」
私も横からナヴィの顔を覗き込んだ。
ナヴィの目は片目が青、もう片方が黄色になっていた。
おお、なんかカッコいいな…。
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