異世界からの救世主
異世界からの救世主編です。
多分これも残酷な表現は無いと思います。
目を開ける。
辺りは暗く、夜だった。
一見街だが明かりが少ない。民家の様な所から漏れる光のみだ。
「夜か、下手に動き回りたくは無いな」
『そうですね。ここがどういう地域かもわからないですもんね』
「独り言に入ってくるな」
『そんなに邪険にしなくたって良いじゃないですか。私だって傷つくんですよ?』
「知るか。永遠に傷つけ。だいたいお前は」
「おいっ! そこで何をやってるんだ!」
背後からの男の声に、薫の心臓が跳ね上がる。騒ぎ過ぎたと後悔するがもう遅い。
「ゆっくりとこちらを向け、下手な動きは見せるなよ」
言う通りに薫はゆっくりと振り向く。
そこには鎧と剣をまとった間違いなく兵士の青年がいた。
完全に向き合った瞬間に、相手は驚いた表情をしていたが、戸惑いながらも続ける。
「言葉は解るか?」
「ええ、解ります」
本当に通じるのだ。どういう理屈かは知らないが、異世界に渡り姿や服装も変わるので、言語が通じるくらいは問題ではなかった。
因みに文字も読める。理解できるかは別だが、そこに書かれている文字を読むくらいは可能だ。
「今から王宮に来てもらう」
「は?」
「王宮だ。姫様に見てもらわねば」
どうしても、このような状況になると薫に拒否権は無い。逃走は今後に響くし印象も悪くなる。頼れるのは自分の直感と経験のみ。
(今回は大丈夫だろう)
そう判断し、薫は付いて行く事にする。




