魔法学園の団体戦
滞りなく話しは進み、解散の運びとなった。ホスト校である弥生・愛美・薫は使用した部屋を片付けていると、愛美が話しかけてきた。
「さっきの社中央高校って昔からウチとライバル関係にあって、毎年接戦を繰り広げてるの。ここ二~三年はウチが勝ってるんだけど、油断はできないよ」
「その通りだ、油断はできない。噂だが、あの吉川紗枝という子が優秀らしい」
弥生も情報を集めているらしく、色々と把握していた。
「らしい、って事は去年までは彼女は参加していなかったんですか」
「そうだね。私も見たことない子だから、間違いないと思うよ」
薫は片付けの手を止めることなく考える。
(ミルの話を信じて、尚且つ彼女の噂が本当なら可能性が高いな。今のところは彼女に狙いを絞ってみるか)
薫は目標を社中央学校を倒す事と決め、大会直前まで万進した。
そして大会当日、晴れ渡る青空のもと閃竜祭が開催された。
整備された芝生が広がるグラウンド。そのグラウンドの中央に四校の代表六十人と、観客には数百人規模の生徒が盛り上がっていた。
【さあ、始まりました。伝統の閃竜祭! 今年の最強校はどこだ!?】
実況をする生徒が煽る。
【ではここで、対戦方式を確認します。
団体戦は各校の五人ずつ、計二十人での戦いになります。五人のチームワークが重要になるでしょう!
個人戦では、各校一人ずつで戦います。頼れるものは己の技と力のみです!
そして、一人倒すとポイントが与えられますが、倒した生徒の強さによってポイントが異なります。最終的に多くのポイントを獲得した学校が優勝となります!!】
そのセリフと共に、場には歓声が満ちる。
実況者は、その勢いが衰えぬうちにと急ぎ試合を始める。
【では第一回団体戦を始めます。出場選手以外は下がってください】
薫の出番は個人戦の第一戦。事前の対戦表では幸運な事に、吉川紗枝が薫と対戦する事になっていた。
それまでは、選手の控え室か観客席に居る事になっていて、薫は愛美に連れられて、観客席から試合を観戦していた。
「団体戦の見どころは、お互いの弱点を補ってくれるチームメイトがいること。一人の戦闘力よりも自分以外の四人を活かす動きが出来るかがポイントなんだよ」
その言葉通り鋼宮魔法学園の戦力は、一人が後方からの遠距離攻撃でかく乱。二人一組の二チームが各個撃破を行っている。
魔法も様々な形があり、拳に魔法を留めながら、相手に打撃を与える。その際に、拳の魔法を爆発物のように弾けさせ、その威力も付加させていたり、以前の愛美の説明にもあった、魔法を刀剣のように形作って戦う生徒もいた。
団体一回戦・二回戦と終了した段階で、鋼宮魔法学園と社中央学校が頭一つ出る結果となっていた。




