魔法学園の祭り
次の日から薫は一般教室に通い、一般教養・魔法講義・魔法実技も習い始めた。
そして放課後は、愛美に魔法を教えてもらう。
何も無い広い空間、そこに薫と愛美だけがいた。
「ここは魔法練習室、貸し切りだから思いっきり暴れても迷惑かけないよ」
二人は学校指定のジャージ姿で立っていた。
「よろしくおねがいします。先生」
「私は厳しいよ立花君。この訓練に付いてこられたなら最終的に君は強くなっているだろう」
愛美はわざとらしく腕を組み、胸を反らせる。
「先生、それで今日は?」
「今日は基本の、弾丸に変換させて前方に飛ばす訓練をしよう」
そう言って愛美は、遠くの壁の方に手を開いたまま腕を前に伸ばす。すると、掌に薄青色の光が集まり、球状に形成されていく。
掌と同じ位の大きさになった時、愛美は微かに力を込めるとそれが前方に発射された。
それは、すごいスピードで壁に衝突してはじける。
「これが弾丸魔法。私は一つの球体で、今くらいのスピードが限界だけど、すごい人になると複数の弾丸を自由に操れたりもするんだよ」
一通りのコツを薫に教えてからレクチャーが始まる。
「イメージだよ。掌に光が集まってくるイメージ」
そのアドバイス通りにしてみる。
少しずつ右手に薄青色の光が集まり、ピンポン玉程度の大きさになった時に突然はじけた。
「今のはイメージが追いついていないから、はじけちゃったんだよ。常にイメージを更新し続けるの」
もう一度右手に意識を集中する。
今度は失敗することなく野球ボールくらいの大きさになった。
「その弾が、壁に引き寄せられるイメージをしてみて」
薫は愛美に言われた通りにしてみる。今、手にあるものが引きあう磁石のように向かっていく思考を持ったとたん、手から弾丸魔法が消えた。
正確には、既に壁に衝突していた。十数メートルの距離を数瞬で埋めていたのだ。
これには薫も愛美も驚愕した。
「すごい! あの速度は見たことないよ! もう一回やってみて!」
戸惑いながら、薫はもう一度同じ事をする。
二度目も同様のスピードで壁にぶつかる。
愛美はキャッキャと盛り上がり、薫は不思議そうに自分の手を見ていると、
「仲谷、立花、失礼するよ」
と、弥生が入ってきた。
「どうだ? 首尾よくやってるか?」
「上上どころでは無いですよ。今の段階で中位の実力はあります。練習を重ねれば確実に強くなれます」
実際に見てもらった方が早いと、再度魔弾を撃つ。
「確かに速いな。この調子なら閃竜祭の候補だ」




