エピローグ
ネオメトロカニポリスを離れ、ユーマの無限次元力であっという間にクルストフィアに帰って来た。
「少ししか離れてなかったのに随分懐かしい気がするのじゃ」
「宇宙に行ってからはほとんどワープだったからな、実質ヤドカリをしばくのに一週間もかかってないぞ」
「俺たちは3万年ぶりだけどね」
「すっごく久しぶりだね!」
ユーマとメグミは久しぶりというレベルではない帰郷のようだった。
《着陸地点はロストランドでいいのよね?》
「ああ、流石にまだシャルロッテもレオナルドもいるだろうし、メグミ達に会いたいカニたちがいる場所だしな」
《じゃあ向かうわよ~》
――――――――――――――――――――
ロストランド開拓地ではレオナルドとシャルロッテが今日も作業をしていた。
「だいぶロストランドでの生活にも慣れてきましたね姫様」
「そうだな、カニ達との交流もうまくいって本土と交易も始まったしな」
「こちらの木材なんかは本土じゃ信じられないくらい頑丈ですしね。ツーバイフォー工法もさらに普及しますよ」
「テッペイ達にもこのわずかな間の発展を見てほしいものだ……」
「いつ戻ってくるんでしょうね。もしかしたら私たちが歳を取ってからなんじゃ……」
そのとき外のカニ達がワサワサし始めた。
「あれ?カニ達が作業があるわけでもないのに沢山いますね、なんなんでしょう?」
レオナルドは不思議に思い外も見るとそこにはバカでかいスケルトンが繋がれたカニ型の乗り物が接岸していた。
「あば、あばばばばば」
レオナルドの意識はそこでいったん途切れた。
――――――――――――――――――――
《着陸完了よ!》
「久しぶりのクルストフィアだな!」
俺はツーバイフォーの屋根の上でハサミを掲げて集まって来たカニ達に挨拶をする。
(ああ、カニのかっこの兄ちゃん帰って来たのか!早かったなあ。なんか見た目変わってるけど)
「宇宙は過酷だが新素材の宝庫だったからな!それよりもカニ達よお前たちが会いたがってた人を連れて来たぞ」
ウィーン。ツーバイフォークラブ改ハッチが開きそこから一人の少女が降り立った。
「みんな、ただいま!って言っても私を知ってる人はもういないよね?」
メグミは呑気に挨拶をした。
(あ、あ、あ、女神様だ!)
様々なカニ達がメグミに群がっていく。
(わーっしょい!わーっしょい!)
なぜか胴上げされていた。
「テッペイ。意外と早い帰還だったな」
セーラー服姿のシャルロッテがやってくる。
「まだセーラー服を着てたのか」
「この方がカニ達が喜ぶからな。だが本物が戻ってきたのだからもう必要ないかもしれん」
「処世術というわけか。ところでレオナルドはどうした」
「ああ、あいつはエンリケ君の巨大化で耐えきれずに気絶したぞ。」
「そうか実は合体変形できると知ったら、ショック死しそうだな」
「そんな機能があるのか!また宇宙で変なものを作ったのだな。それでこれからどうするのだ?グラスランドに戻るのか?」
「いや、俺たちは宇宙で運送屋をやろうと思っている。どうにも宇宙の物流は長い間手入れがされてないところがあるみたいだしな」
「ではまた宇宙へいくのか?もう戻らぬのか?」
「次元電池があればすぐに戻ってこれるからな、ちょくちょく戻ってくるぞ。何か宇宙に売り込みたいものがあったら俺たちが届けよう」
「何が売れるかがまずわからんのだが?」
「我が思うにこの星の果物は宇宙で売れると思うぞ」
ゼノヴィアがセレネイドでフルーツジュースが高値で売れてたことをシャルロッテに伝える。
「農産物か……なるほど」
「それから宇宙はコスモメタル工場が無いからテツヤにバンバン作らせて、今星の人をクルーにしたら最強艦隊が作れるわよ~」
「それはどういう理屈なのだ……」
《宇宙の人たちは次元力を失ってるのよねえ、その点ここは次元力たっぷりよ!》
「あたしの水操作だけでもめちゃくちゃ勧誘されましたし」
レヴィアがオルドバイでの経験を共有する。
「宇宙との交易か、またスケールが大きくなるな」
シャルロッテの目は輝いていた。
「そういうわけだから、割とこの星に来る理由があるぞ」
「そうか、じゃあレオナルドもそのうち気絶しなくて済むようになるかもしれぬな」
「まあ初仕事は、メグミとユーマをネオメトロカニポリスに送り返すことだけどな」
「人員輸送か。余の時のように割り増し料金なのか?」
シャルロッテは自分の護送の時のことと同じなのか笑いながら聞いてくる。
「8星系分のワープ代と考えると割り増し料金かもしれんな」
「高いか安いかわからんぞ?」
シャルロッテがもっともなことを言う。
「そのうち宇宙の通貨についても教えてやる」
「ヤッシとかいう怪しい通貨なのじゃ!」
「シャルロッテの分のヤッシ端末を買ってきてあげた方がいいかもね!」
シオンが珍しく他人のことを考えた提案をしていた。
「それはいいんだが運送屋をするなら屋号は決めてるのか?」
シャルロッテは素朴な疑問を投げた。
「そうだな、カニがやる物流だから。クラブ・ポーターズだな!」
《ネオン看板はつけないわよ!》
『カニへの転生を断られた男。超絶美形に転生させてもらったのにカニへの執着が凄すぎて、今日も真顔で横歩き(宇宙)しています』 完
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