第六十六話:巨蟹機神シザースキング
ユーマに導かれてワープアウトした先で見たものは凄まじいものだった。
「惑星サイズの機械カニ……だと!」
「あはは、凄いよねこれがセンシファウンデーションさ」
ユーマがカラッと言う。
「何だかテツヤの超大きいバージョンなのじゃ」
ドラミナはクルストフィアで別れたSF社のアシスタント機械カニを思い出したようだった。
「テツヤがまだ稼働してるのかい?」
ユーマがそこに反応した。
「知ってるのじゃ?」
「ああ、彼の人格元になったカニとは友達だったんだ。そうかまだ稼働してるんだね」
ユーマが懐かしんでいると、通信が入る。
『そこの未所属船!この宙域はSF社の管理領域である!何用で訪れたのか?許可はあるか?』
「ここは俺に任せて」
ユーマが通信を受け持つようだ。
「俺はユーマ。ガーディアンだ。トオル君はまだ滞在してるかい?」
『ガーディアン?なにを……え?通信を変われ?あ、はいわかりました!』
何やら通信先で何かあったようだ。
『ユーマやっと迷子から脱出したのか!そのまま死んでいればよかったものを』
急に尊大な態度の男と変わったようだった。
「トオルくん俺が時間じゃ死なないのは君もよく知ってるだろ?それより新しい友人を紹介したいんだファウンデーションに着陸してもいいよね?」
『断ったら次元断するんだろ拒否権なんかあるのかよ』
「あはは、そんなことしないよここは普通のカニ達が働いてるところだからね、じゃあ着陸させてもらうよ」
『ああ、なんか変な形の船だからドックの形が合わないかもしれないけどそれはそっちでどうにかしてくれ、じゃあまた後でな』
通信が切れた。
「さあこれで乗り込めるから、着艦しちゃおう」
ガイドビームに沿ってエリシアが微調整しながらセンシファウンデーションに着艦した。
ドックは無数の宇宙服を着たダンジネスクラブぽいカニが所狭しと働いており、なんというか壮観だった。
そこに奥からあの憎きヤドカリと同じくらいのサイズの金属光沢をもった巨大なタスマニアオオガニが出てくる。
「こ、これはカニの神か……」
「テッペイが呆然としてるのじゃ!ていうかデカいのじゃ!」
「凄い!骨密度が凄い!半端ない!」
「ヤドカリ神とはまた違う感じの凄いのが来たわね~」
「なんで次から次へと巨大生物ばっかなのこの宇宙!」
「凄まじい覇気を感じるな我も気圧されそうだ」
(俺はカニの神じゃねえ、海鮮王ではあるがな)
巨大なタスマニアオオガニが念話を送ってくる。
「彼が宇宙最強のカニ。トオルくんだ」
ユーマがさらっと紹介した。
「宇宙最強のカニ……だと!?」
《テッペイのアイデンティティがピンチよ!》
(よくわからんが、そこのカニ服を着ている人間おもしろいな)
「そうだろう、多分彼も転生者じゃないかと思うんだ」
(ほう、メグミを最後についぞ現れなかった転生者が来たということはクルストフィアは解放されたのか)
「やっぱりクルストフィアは封鎖されてたんだね」
《私の大元が原因らしいですよ》
(さっきから喋ってるホログラムGMメモリか!まだ残ってたとは。あ、いやまあこっちの話はいい結局何をしに来たんだ?)
「ああ、そうそれはね、彼らをマサルさんと戦えるようにしてほしいんだ」
(なにー!?それは無理だろう、デカさが違い過ぎる)
「そうだから、ほら昔、トオルくんが設計するだけしたアレを彼らで再現できないかなって」
(確かにGMメモリがあり、何やらものすごく高強度のフレームがありコスモメタルの装甲があって、次元力も申し分ないな)
「すまないが俺たちにわかるように説明してくれないか?」
「テッペイ!君は巨大ロボットに憧れはないかな!?」
唐突にユーマが聞いてくる。
「いや俺はカニにはなりたいが巨大ロボットには別に……」
(いや騙されたと思って、試してみないか?お前カニすきだろ?)
「カニは好きだが」
(デカいカニとかワクワクするよな?)
「確かにあなたを見た時はわくわくしたが」
(できるならこうなりたいよな?)
「いやまあ宇宙最強のカニになれるならそれはもう」
(よし決まりだ!お前はいまから巨蟹機神シザースキングのメインパイロットだ!!)
《なにそれーーーー!?》
(俺が長年作って来た、対マサルぼこり兵器だ。正直設計したはいいが耐えれるフレームだの、色々技術的な問題があってとん挫していたものだったんだが、どういうことかお前たちは完成要件をみたしていたのだ!)
「その、自分で戦いに行けばいいのでは?」
(俺は極限まで強くなったこれ以上強くなれない!そしてマサルとは五分五分なのだ!俺はあいつを一方的にボコりたいんだ!)
「なるほどヤドカリをボコりたい気持ちは一緒と」
(そうだ!あいつはグータラだから絶対に強くなってないというか実際変わってない!設計通りなら、一方的にボコれるはずだ!)
「それはいい、わかったそのシザースキングとやら受領するとしよう」
(じゃあそっちのメカニックとすり合わせさせてもらうぜ!)
「メルティ、シオン、ゼノヴィア頼んだぞ!」
「わかったわ~」
「任されよ」
「私は別に要らないような」
「いやおそらくフレームというのはエンリケ君だ絶対シオンの知見がいる」
「なるほど」
「なんか妾達はやること無さそうじゃの」
「いいじゃない暇なほうが」
(言っておくがシザースキングはお前たち全員の次元力で動かすからな?全員必要だからな?)
「え?ユーマがおればええんじゃないのか?」
(それはズルだ、俺の勝利にならん)
「ネオメトロカニポリスのワープまではちゃんと手伝うから安心していいよ」
色々驚きがあったが俺たちはシザースキングの建造を進めていった。
しばらくして。
巨大な二足歩行の機神が聳え立っていた。
背中には6本の歩脚と甲羅を背負い両腕は巨大なハサミになっている。ハサミの内側に人の手も格納されているようだった。
「うむ。脚はきちんと10本だな」
《数さえ合ってればいいの!?》
(脚の数は大事だぜエリシア。カニとヤドカリのわかりやすい境目だからな)
《カニ狂いしかいないんですけどこの空間ていうか片方は本物のカニだけど》
(よし後はテッペイお前の外骨格スペーステッペイ改が頭に合体することで完成する!)
俺はそれを聞き飛び上がり変形して頭部に合体する。
「よし全員乗り込んでいるな!」
「のってるのじゃー」
「結局なんかこういうのがテッペイも好きなんだね!」
「シオンはエンリケ君が骨組になってるから上機嫌ね~わたしも新素材が弄れて楽しかったわ~」
「なんというか我らとしてはツーバイフォー・クラブに乗ってるのと大差ないがな」
「ところで合体したはいいが分離も大丈夫なのか?」
(ああ、普段はカニ型宇宙船形態でいいぞ。それじゃあネオメトロカニポリスに行くか!)
「あなたも行くのか?」
(マサルがボコられる姿を目に焼き付けたいからな!)
こうして俺たちは巨大なカニの連れを増やして遂にネオメトロカニポリスへと出発した。
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