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第五十二話:断じて神とは認めん

 コスモメタル外骨格は欠陥だらけだった。


 まず凄く目立つ。このダイナソーだらけのロストランドではそれは致命的だった。ひっきりなしに襲い掛かってくるのだ。


 そして2つ目。すぐ装甲が剝がれる。メルティ曰く接着剤も聞きにくいらしい。


 つまり俺はぽろぽろコスモメタルを落としながら、ダイナソーを返り討ちにする非常に間抜けなことになっているのである。


「テッペイ一度コスモメタルは脱いだ方がいいのじゃ」


「そうだよ。どうせ剥がれるんだからさあ」


「ドラミナ、シオンこれはそういう問題ではない。外骨格は絶対に纏っていなければいけないのだ!」


「まあまあ。カニさん達に聞けばいい解決法が聞けるかもしれないし気長に行きましょ~」


「テッペイさんの執着ってやっぱり異常ですよね」


「レオナルドさんそれはみんな思ってることだから」


 レヴィアの視線は冷たかった。


「我はそこが好きだがな!」


「余もそこが気に入ってるぞ!」


 魔王と王女コンビはこういう時の息がぴったりであった。


 そうそう。今回のダイナソー連続襲撃タイムで得たものといえば各種素材と肉以外に、シャルロッテが普通にダイナソーに通用するということであった。


 ゼノヴィアとタッグで大剣を振り回してる姿は正直カイトよりよほど強いのではないかと思わせる。


 そんなこんなでこの二人は仲良くなってしまっていた。


 レオナルドはもうあきらめの境地に達しているのかシグルド君とチェスをしたり、ジョシュア君とカードゲームをしたりとスケルトンズと打ち解けたようだ。


 そうこうしてるうちに俺たちはカニクランの溜まり場に辿り着いた。


(あんれま~コスモメタルでないの、取扱大変でしょ~。なんも使えないんだよねそれ)


 最初に念話で話しかけてきたのはガザミクランのカニだった。


「む?待てこれはカニが生み出した物質なのだろう加工方法を知らないのか?」


(そんなもん何万年も前に無くなってるべ)


《何万年って何よその雑な設定!私聞いてないわよ!》


「つまり、コスモメタルは加工方法を自力で見つけるしかないと?」


(いんや~カニ神様なら絶対知ってるから会いに行くといいべ)


「く、この未完成の姿でカニの神へ会いに行かなければならないのか」


(カニ神様はそんなの気にしないべ。それより人間が来て喜ぶと思うべ)


「背に腹は代えられんこの不完全な姿でカニの神とやらに謁見しに行くとするか……」


(カニ神様はあそこに見えてるから近づいて話しかけてみな~)

 

 そう言うとガザミは小高い丘を指した。


「丘しか見えんのだが?」


(カニ神様はでっかいからあれでも埋まってる方だべ)


「想像を絶するな……とにかく助かった。カニの神に会ってくる」


(コスモメタルまた道具として使えるようになるといいべな~)


 ガザミ達は陽気にハサミを振って俺たちを見送ってくれた。


 とりあえず言われた通りの丘のふもとにやってきた。


「あー神よここにいるのか?1つ訪ねたいことがあって来た」


《神は私ですけどね!いつも見てますけどね!》


 ズゴゴゴゴゴ。


 突如地面が揺れ始めた。


 丘の土が剥がれ落ちていき、乳白色、だが表面が虹色に反射する甲殻が姿を現す。


(おやおやおや?人間じゃないか!ちょっと見た目変わってるがALSIAの次元力で姿が歪められたのかな?)


 随分軽薄な感じの念話が頭に響いた。


「いきなりわけのわからないことを言うな俺はカニだ今は外骨格が不格好だがこのコスモメタルで完璧な外骨格を携えたいのだ」


(はっは~ん。なるほどお前カニ狂いだな?そうかお前が来たから封印が解けたんだな?次元兵装相手は後手だと俺には何もできないからなハッハッハッハ!)


「いや勝手に納得するな。俺の問いに答えてくれ」


(ん?コスモメタルか?それなら俺の後ろのメトロカニポリス跡地に製造所があるからそこで学んでくれ)


「メトロカニポリス?」


(カニ達が一生懸命作った銀河連邦の元首都だ。今は移設したがな。さて封印も解けたことだし俺は宇宙に帰ってやることがあるから、宇宙で会うことがあればまたな!)


 ビョーーーン!


 カニの神は一方的にまくしたてると飛び上がって一瞬でいなくなった。衝撃波とかが来ないのが逆に恐ろしかった。


 だが俺は見逃さなかったあのカニの神歩脚が6本であった。


「ヤドカリじゃねーか!カニの神じゃねえええええええ!!!」


「こんなに叫ぶテッペイは初めてなのじゃ……」


《テッペイヤドカリ扱い大嫌いですからね……》


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 呑気に天界からテッペイに突っ込みを入れていた私だったが、目の前の景色を理解できないでいた。


 そうさっき見たでっかいヤドカリ神が目の前に居るのである。


「ね、姉さん?どうなってるの?なんか巨大ヤドカリが目の前にいるんだけど……」


 姉さんは答えてくれない。


(哀れな主人を失った次元兵器よ。お前は頑張った。だが世界の真実を変えることはできない。この世界はカニと人が手を取り合う世界なんだ)


 ヤドカリの念話がわたしの頭に響く。


「えっと何のことを言ってるのかちょっとわからないんですけど」


(世界を暴かれた影響でメインシステムがシャットダウンしたか。GM社らしい杜撰な設計だ)


「えっと今から何をしようとしてるんですか?」


(もういい休め)


 ヤドカリはプラズマ発光する拳を放った。


 その瞬間天界は粉々に砕けた。


 「わたしは……」


 意識が消えていった。

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