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第三十六話:奴の名はG

 熱源調査を請け負った俺達であったが、まずは情報収集することにした。


「それでドラミナの父親、熱源が絶たれた原因に心当たりはあるのか?」


「私の名前はファブニルだ、まあ私の名前などどうでもいいのだろうが、熱源異常の原因の調べはついている。それがドラミナを呼び戻さないとどうにもならんという判断をした理由だ」


「ほう……」


「竜人の里に伝わる伝説のアースドラゴン、ガッジィーラが現れたのだ!」


「え?ゴジ」


《はい、女神パワーでカットしますそれは言わせませんからね!》


「それでそのガッジィーラは里の戦力ではどうしようもないというわけだな?」


「そうだ、我々竜人族は他の種族と比べれば圧倒的に強いが、個人差も凄まじく大きい。正直なところ二番手のレヴィア含めて全員合わせてもドラミナより弱いのだ」


「あのウォーターサーバー里で二番目だったのか……」


《備品呼び止めてあげて!!》


「つまり、根本的にそのガッジィーラ討伐の戦力が足りなかったというわけか」


「正直なところドラミナでも敵うかどうかというところだ……」


「それは大分強そうだが、生物ならやり口はいくらでもあるので安心してくれ」


「無理なら無理で戻ってきてもらっても構わんがな里の産業が一つ死んでも娘の無事のほうが大切だからな」


「いや、産業が死ぬのは困る。これから定期的にドラミナの食費請求に来たいからな」


「……ドラミナこれからは食事の量を減らしなさい」


「父上!酷いのじゃ!」


「いっぱい食べるドラミナちゃんがかわいいのに……」


「あ!母上!久しぶりなのじゃ!」


 俺はドラミナの母親の一言を聞いて完全に納得してしまった。放任主義の父親と甘やかしの母親のせいでドラミナは節度というものを身に付けれなかったのだと。


「それにしてもあなた!ドラミナちゃんをガッジィーラにぶつけようと思ってたなんて!しかも私の名前を使って嘘の手紙まで出して!」


「いやいや、ヨル。里の長としてだねこれが一番解決に近しいと思ってやったわけで……」


「ドラミナちゃんが大けがしたらどうするんですか!」


「ドラミナは私たちより100倍は頑丈だし……」


「そうやってあなたはいつもドラミナちゃんを頼りにするから家を出て行かれたんですよ!」


「いやぁ、家を出たのは他の国の美味しいものが食べたかっただけなのじゃが……」


 ドラミナの両親の言い合いがどうにも終わりそうにないので、俺たちはひっそりとツーバイフォーに戻っていった。


 駐車スペースに戻ってくるとツーバイフォーは白壁から灰色の壁になっていた。


「おかえりなさ~い。どう~?修理終わったわよ~」


「おお、流石メルティ仕事が早い」


「レヴィアちゃんの水質操作って建築にも大分役立つわね~」


「そういうものなのか」


「毒の調合にも役立つし最高の助手よ~!」


「あたしは便利な水を出す機械です……」


 レヴィアは死んだ魚の目で言った。


「まだ戻ってないのじゃ!」


「まあ、それはそれとして、今からアースドラゴン、ガッジィーラを討伐に行く」


「え~あのガッジィーラがいるの~?」


「メルティは知ってるのじゃ?」


「伝説のアースドラゴンよ~私の生きてる限りでも実際出現したのは2、3回くらいじゃないかしら~」


「いい骨も採れそうだな!私も楽しみになってきた!」


「でも凄い熱線を使うから気を付けたほうがいいわよ~わたしとシオンちゃんはツーバイフォーで後方支援にするわね~」


「シグルド君たちを私だと思ってこき使ってくれ!」


「熱の魔物なら私の獄炎は効かないのでは……」


「そこは魔剣士なんだし頑張って剣で何とかして!」


 シオンは無茶振りをしていた。


「アースドラゴンクラスになると俺の魔物操作も効かないだろうしなあ」


 ジョシュア君は遠くを見つめているようだった。目無いけど。


「サンドワームは操れたのにか?」


「サンドワームは割とおとなしいんだよ。スケール感がおかしいだけで。進行方向を決めるくらいならなんとかなるんだ」


「魔物操作にも細かい違いがあるんだな」


「役に立てたなら良かったんだけどな。まあ旦那たちが倒した後の素材回収を頑張りますよ」


 ジョシュア君もシグルド君も自身は戦力外だと思っているらしい。そこまで凄いのかガッジィーラ。俺は少しワクワクしてきた。


 「よーし、じゃあ温泉の熱源に行くぞ!道案内はレヴィア行けるか?」


「えあ?はい大丈夫です。あたしは道案内をする機械です」


「○○する機械ですがすっかり語尾になってるのじゃ……」


《メルティは一体どんなおぞましい再教育をしたのよ!》


 レヴィアの案内で俺たちは火山道をせっせと登った。道中もう一つのアッシュランド名物ワイバーンが襲い掛かってきたがすべて水鉄砲で簡単に撃ち落とせた。脆い奴らだ。


 ドラミナはワイバーン肉は霜降りで美味しいのじゃ!と熱弁していたが共食いにはならないのだろうか……。


《あなたは自認カニですけど容赦なく共食いしてましたよね!》


 まあガッジィーラを倒した後の夕飯の具材にするとしよう無駄に多かったしな。


 そしてついに熱源の洞窟についた。熱源というには大分ひんやりしていたこれがガッジィーラが占拠した影響だろうか。


 洞窟の入り口にツーバイフォーと待機組を残して、俺、ドラミナ、スケルトン部隊、レヴィアで突入した。

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