↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴンルート  作者: 56GEN


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/100

みんなが認める騎士

_セイン視点の続き_



ブリッジは船体から飛び出すような構造になっており後方は完全死角、左右も下方向は死角になっている。


この状況・・頭の悪い俺でもやばいと感じる。

浮遊エルセンドラの件が頭に浮かぶ。

だが、口に出して間違っていたら、あいつはバカと思われる。


ん?上から船が前方に滑り込んできた。

減速して、ブリッジを破壊するつもりか?

いや、ロープに兵士・・・ぶら下がっている。

乗り移り船を奪還する気だ。

この船に大事なものがあるのか?

この船が大事なのか・・・


これ以上、高度は下げれない。雲が邪魔だ。

それをわかって仕掛けてきたのか。

上下左右に船を振る。

くっそ、このボロ船・・動きが鈍い。

追従されてしまう。

速度を下げて上げてみる。

兵士の一人が窓ガラスに激突して、落下していった。

よし、一人片付けた。

取り付くことが出来ないように船を揺らし続ける。

また、前方の船からロープが垂らされ兵士がぶら下がっている。

今度は二人だ。

速度を落として、雲海ギリギリを飛ぶ。

速度を上げて、兵士達がぶつかりそうになるのを見ている、

こっちがハラハラするぜ。


強襲艇お得意の突撃がないだけ幸運だ。

「敵か!!」

シオンがふらつきながら戻ってきて、外を見る。

「なんだぁ〜曲芸か?」


敵の船から、色々物が飛んできた。

ガラスに当たるが頑丈にできているようで割れない。


「何か収穫は?」

「誰もいない、何もない・・あるのは竜石だけで、水上船の内部のようで出入り口もハッチも無い。




ガツン!!

敵の兵士が窓ガラスに激突した。

体勢を整えて仲間に合図を送っている。

船を揺らし続けるがついに二人目も取り付いてしまった。

兵士は持っている斧で窓ガラスを叩き、白い粉が飛び散っている。


シオンは操舵席を乗り越え奥にある窓辺の通路に立ち、兵士とガラス越しに向かい合う。

斧を槍のように突きガラスを破り兵士を一人突き落とす。

そのまま、もう一人を狙うが、驚いた兵士が手を離してしまい、滑り落ち落下していった。

「よし、二人片付けた」


「うぉっ、飛んできた」

兵士が二人、間隔をおいて船から飛び移ってきた。

着地した窓にもヒビが走り、兵士はシオンが割った窓を掴むようにして、斧でガラスの穴を広げる。

シオンは兵士の腕を斧で叩きつけるが、装甲を貫通することはできない、

「この斧・・もう、使えんか」

兵士は転がり込んでブリッジに侵入する。

「ナルは後ろに!!」

立ち上がる兵士を蹴り上げ、拳を顔面に打ち込む。

殴られた兵士は飛ばされ窓に跳ね返り動かなくなった。


前・・・船・・・

前の船の後部に兵士を持ち上げている男が・・

「投げた!!」

兵士を投げつけてきた。

シオンが割った穴に兵士がぶつかり、船内の床と操舵席に打ちつけ転がる。

「うぅうぅぅ」

生きてんの?

シオンは転がった兵士の武器を奪い、俺に放り投げる。


ダン!!兵士を投げた男も飛び移ってきて、フレームと外にしがみついていた兵士を掴みブリッジに滑り込み、兵士をシオンへ投げつける。

シオンは兵士を避けつつ腕を掴み床へ叩きつける。


男はぶら下げていた小さい斧を手に取り、シオンと打ち合う。

シオンの斧が男の顔を捉えたが、気がついた男は間をとり下がる。


「おっとあぶねえ」

男は、頬を拭うと血が垂れていた。

「凄腕だな・・俺、燃えてきた」

投げられた兵士を足でひっくり返し、

「おぅい〜隊長、死んだか?」

足で踏んで意識があるか確かめている。


ガサ=


もう一人兵士が肩から落ちてきた。

「クンガー!おっせぇぞ!」

「イッテェ・・あ〜左腕が逝ったかな。右足も感触無いなぁ」

「任務に支障あるか?」

「想定通り大丈夫」

「この船に乗り込んだ勇気は褒めよう」

「だが、黙ってもらう」

「俺、この獣人姉ちゃんやる」

「そっち、任せた」

「了解」


操舵席を飛び越え蹴りが来る。

剣を取るだけで精一杯だった。

そのまま後ろへ飛ばされる。

「坊や・・他人の船、触っちゃ駄目って教わらなかったかな」

右手で操作パネルを素早くいじっている。


音が鳴り、船が操舵を触らなくても上昇していく。

床に剣が転がっている。

「おっと、妙な真似すんなよ」

こいつ、坊や呼ばわりしやがる。目線を剣に向けただけで気づかれた。


「動くとマジでやっちゃうからな・・俺は血を見るのが嫌いなんだ」

あのシオンが取り押さえられている、そんなバカな。


「隊長さん!任務完了だぜ?おいおい・・息してないな。どうする」

「バリー!クソが!!オメェが投げるからだろ!!」

「おいぉぃおいぉぃ・・・やだねぇえ」

シオンをナルの方に突き放し

「こいつらに縄は?」

「いらねぇだろ。抵抗したらそれまでだ」

クンガーという男がバリーに意識が移った瞬間、落ちている剣に手を伸ばす。

右腕に激痛が走る。剣が刺さっている。

「妙な真似すんなって。体で覚えないと駄目?」

クンガーは剣を拾い窓の方へ放り投げる。

「坊やもお嬢さんの方に」

埃を祓う仕草をする。姫とシオンの方へ下がる。

ナルは恐怖で震えているようだ。同じく怖いぜ。

「バリー!!船に合図だ!」

「俺がか?」

「マジで、勘弁してくれ・・無線機ってやつはどれだ?」

バリーは隊長の装備品を漁っている。

クンガーっていう男は左腕が垂れ下がり、

右足から出血していてかなりの負傷をしているようだが、

素早い動きと剣筋が早くて太刀打ちどころか相手にすら・・。

「これかなぁ」

「ああ、それだ」

「お〜い、聞こえてるか?」

「なんだ?誰だ?」

「バリー」

「バリー!お前!隊長投げるか?普通」

「ウルセェな、ヤツは渋った」

「隊長は?」

「動いてないなぁ」

「お前!!」

「それより引き上げ頼む。クンガーと、あと三人」

「クソが!!待ってろ」


「クンガー・・登ったらアイツも突き落とすか」

「やめとけ!」



「おい!なんだ!!」

声に反応して外を見るとパッチの船が左よこから船底を見せながら前に滑り込んできた。翼を広げている。

「ナル、シオン掴まれ!!」

パッチの考えていることは分かっている。翼で前を飛ぶ船を叩き落とす。

ん?回転方向が逆だ!左の翼で救い上げた。

強襲艇は折れた翼と共にブリッジの上に消えて何かにぶつかる音がした。

「目の前で、ロールして護衛もまとめて落としたのか」

「やるねぇ」

前の船だけじゃなかったんだ。



「やっと役に立ったな隊長」

落下傘を隊長から取り上げた。

「俺のは?」

「二人で落ちリャいいだろ?」

「こいつら、始末しないといけなくなったなぁ」


「悪いな」

操舵席を飛び越えてこっちに向かってくるが、さっきより遅い。

剣先を左下に下げ振り上げるつもりだろう。

「ん?やるねぇ」

剣を持つ右腕を捕まえた。振り下げてシオンやナルを切ることはできない。



え?


背中に・・

なんて奴だ、動かない左手に加速をつけて刺してくるとは。

だが、完全に差し切れたはずは無いだろう。クンガーをそのまま操縦席へ押し付け、操舵席の向こうへ押し出す。

やはり、足の傷が深く踏ん張れないみたいだ。

傷は多分・・・、浅い・・トュリスの防具がなければ死んでいた。

「いてて、まるで騎士のようだな。いい守りをする」

立ち上がる時も、足を庇うようにしているので傷は深いのか?


「危ない!クンガー!!こ・・」

バリバリッ!

とっさに、バリーの方に飛ぶ。


ブリッジの右側外を黒い物体が掠め船体に直撃して貨物室へ塊が突き抜けていった。

輸送船をアンカーで右回転で引っ張り、船が右へ進路が変わったのか、ブリッジ全体が右に曲がってしまったのか、巨大な鎖が天井を捲り上げ窓ガラスがほとんど割れてしまった。


ガツン!

船が天井に降りたのか、船首が下向きになった。

すぐに上昇する動作になったので、離陸したのだろうか。



「なんてことしやがる!」


シオンはナルを庇って砕けたガラスを浴びて血が滲んでいる。

風が吹き抜け船外にいるようだ。バリーが持っていた落下傘が飛んでいってしまった。


シオンが俺の足を引っ張って角に寄せる。

「もう大丈夫だ」


黒いローブのゼネルがブリッジの無くなった扉あたりに立っている。


「お前!アホか!死ぬところ・・」

ゼネルの方へ足を進める。

「バリーよせ!」

壁に叩きつけられる。

「あ、あんた、知ってる」

ゼネルはクンガーを無視して、こっちに来る。


「大丈夫か?」


「アンカーを打ち込んで船の構造が持たない」


「ナルはシオンを頼む」


ゼネルに軽々と担がれブリッジを抜け、何度も頭をぶつけて捲れ上がった天井に出る。

痛かったら言えといったのに、言ったら「うるさい」だってよ。マジでバ・・考えるのはやめる。



パッチの船の船底が上に見える。

鎖がバタつかないようにこの船との距離をうまいこと調整している。

ここは、見えない死角のはずなのに・・・

シオンはナルをハッチに登らせている。尻尾が可愛い。


ゼネルに船底のハッチに押し込まれた。怪我人なんですけど。

「よく、ナル、シオンを守ってくれた」

「お前は騎士だ」

ゼネルはそう言って輸送船に戻っていった。

ゼネルの言葉に驚いたが嬉しさが湧き上がってきた。


すぐに、


「どうも!」

「ウィ」

床のハッチからさっきの二人の顔が。

ナルはブリッジへ逃げていき、俺はその瞬間、体がこわばった。


ゼネルが助けた?

ゼネルは床のハッチを閉じて、後でまた聞きたいと言い残して、ナルを追うようにブリッジへ行った。


俺とシオンとバリー、クンガーが放置され、壁に身を預ける。

あの二人の武器、なんで回収してないの?安心できないぜ。

もう、何があっても動けない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。