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ドラゴンルート  作者: 56GEN


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空中戦1

強襲艇という船は前面強化型で城壁や船に被弾しながら突っ込み破壊、

乗っていた約10名ほどの兵士で敵を制圧する用途で使われるそうだ。

喜んで乗りたがる兵士はいないだろう。


「遅いのぅ、静かじゃなぁ」

ヴァクーが口を開く。

「そろそろ体が酒を欲しくなっての」

立ち上がり、ブリッジを出ていった。

正面奥には尖った山がつながり、

頂きには白く輝く雪を纏っている。

手前には雲海が広がり地上の様子はわからない。



ゴゴゴゴ・・


ん?音がする。体の中まで振動する。

「大型輸送機?」

サーリャの声がする。

雲海のスレスレの高度を巨大な輸送機が通過していく。

推進剤を使用した噴射型の船のようだ。



ウインザードの空中戦艦と同じくらいの大きさだが足は遅いようだ。

「1・・・2・・・・・・3・・・・」

間隔を空けて大型輸送船が飛ぶ。

「ゆっくりさせてくれんのかぁ!」

ヴァクーが怒りながら走ってブリッジに入ってきた。

「大型船3隻だけ?」


「東バルフェリアの輸送船か?」

ヴァクーが単眼鏡で細部を見ている。

「ああ、辞書だ」

「辞書?」

「空とぶ巨大な辞書」

風に翼を乗せて飛ぶという効率を捨て、

ふんだんに飛竜石を使って無理やり浮かせている。

東バルフェリアは国境にある浮遊島で武力は持たず、

周辺国と中立の関係で貿易を手広く行う。ラナロ教徒の教王国だ。


「パッチ!輸送船の後ろ!後ろを見て!」

サーリャが叫んでいる。

大型輸送船3隻を追うようにして強襲部隊の船が陣形を組んでいる。


「12、13・・14隻の強襲艇」

「聞いていたより少ない・・」

ぜネルは首を傾げた。

「そうだな、他にいるかもしれんな」

ヴァクーは反対側の空を見る。



「発光信号」

「発光信号だと?」

「わかる人いる?」

「俺が見る!」

光を見て読み上げる。

強襲艇の先頭の船が発光信号を出している。


=繰り返す。どこの所属か=

=首都防衛隊だ。そちらは=

クレバーが返信している。

=国境軍。民間人と物資を載せている=

=首都で非常事態が発生した。この先の侵入は出来ない=

=教王の指令を受けて作戦行動中=

=どの船であろうが首都への侵入は出来ない。指定の場所にて臨検を受けよ


「奴ら、警戒しすぎだな」



「奴らこっちに頭向けたぞ!輸送船は首都方向へ止まらない!」


「どうやら空中戦になりそうだ」

ロイックは接続橋を収納した。

「できるだけ強襲艇を引き付ける。

みんなは、固定具の確認をしてくれ」

操舵席に座り計器を確認する。


「輸送船の積荷は一体なんなんだ?」


加速して奴らの手前で急旋回、

引き回しているところをガーランド船かアルイン船で撃ち落とす。


全員固定具の装着をしたので離脱して加速する。

操舵を引くと、足に血が溜まる感覚になる。


足のペダルを踏むと回転して上下逆さまになり、

上に地上が見え敵船が見えやすい。

敵船を捕らえながら操舵を引き続け翼を広げ減速する。

「無茶するわい」

「武器が無いからこうするしかない」

敵船との距離を見るみる詰める。


ガコン!


強襲艇の隊列後尾の船上部に乗り上げ、そのままと地面へ押し放つ。

「1隻行動不能」

加速して前方の一団の後ろを取る。

他の強襲艇は回り込み後ろへつこうと旋回する。

「後方8隻!!」

8隻もいれば後半分か・・

「鳴煙幕展開!!目が痒くなるぞ」


「後ろの船達はふらついて速度が落ちたわ!」

「あっ、煙が吹き出した!」

「どの船か分からないが、うまいこと弾を当てたようだな」

「左2前方二隻に追われている警備船あり」

「あれか・・」

山肌を盾にして上手いこと逃げている。


「後方の7隻、墜落したわ!ピンクすごい!!」

「わかった、続けて見張り頼む!」


グワン!

目の前を大型の船が横切っていった。

「あれはレイの船だな・・あっぶねえ」

警備船を追っていた2隻の後ろにつき、船をぶつける。

一隻は山へ衝突し炎上。もう一隻は背後を取ろうと旋回していく。

レイの船もそれを追うように旋回していく。


ナルの船は直進を続ける。

「被弾したのか?」

そのまま、輸送船の方へ速度を緩めずに飛んでいる。


「船1隻!火を噴いた!」

どうやら、レイがまた、撃ち落としたようだ。

「大きいずうたいでよくやるわい」


「ナル・・何を考えている・・」

「乗り込むつもりだろう」

ゼネルは叫ぶ。

輸送船は進路を変えずに一直線に首都方向へ飛ぶ。


挟み込むように敵船がナルの船の後方に滑り込んできて、発砲する。

ナルの船は被弾しながらも進路を変えない。

煙が・・・


辞書の狭い天井に辿り着き、滑り込むように着陸したが、

輸送船の屋根が脆かったのか天井が陥没して中へ落ちた。


どこかに接舷しなければ。


「左側110あたりに新たな船団が!

数10よっ!

10!」

サーリャの声がうるさい。


「聞こえているわぃ」

「固定具確認して」

「「「大丈夫」」」

翼を広げて上昇気流を捕まえて空高く上がる。

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