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ドラゴンルート  作者: 56GEN


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9.竜の王

周囲の船は飛び立っていく。


船内も煙の臭いが漂うようになってきた。


ライトを囲む3人・・・


「ここを接続したらいけるかも」


「やっぱ駄目ね」


「手で押すか?」


「竜に押してもらおう」


「笑えんわい」


「あの子は」

「あの子?」

「船室に寝かせてる」

「あの子はな・・・」

ヴァクーが言いかけた時、


ぉ~~~ぃ

船の外から声がする。


どこもかしこも出火して辺りが明るい。

ライトを入り口に掛けて船につながる階段を降りると、150人くらい集まっている。

子供からお年寄り、ギルド職員や酒場のマスターまで不安そうな表情をしている。


その中からギルドの長耳サーリャが何かを叫びながら走ってくる。


山を指さして

「パッチ!!あんたっ!あれハグレじゃない!竜の王!!」


「竜の王?伝説上のアレ?」

「そう!あれ!」

もういっかい山を指さす。


「やべー 王なんか見たことないし!」

「あんなのからよく逃げれたわね!」



「まっ、あんたの船がいてくれてよかった。逃げ遅れた人たちがいたの、乗せてあげて」

両手をつかんで訴えてくる。逃げられないくらい強く握る。


「わるい・・あの・・・動かないんだ・・」


「なんで!」

長耳が垂れさがる。


「動力パイプ交換してた」


「はぁ? あんたたち何考えてんの!竜出て警戒中だったでしょ?」

頬に指を押し付けてくるので指をつかんで、

「あれから逃げるために無茶させたんだよ!」

「んだんだ!あいつは速い!」

ヴァクーは腕を組んで頷く。


「あんた、修理できるんでしょ!?早くやれ!」

ヴァクーの兜を叩く。

「急せんな・・」

とぼとぼ船の階段を上っていく。

忙しい女だ・・・


「火の手がある、とりあえず乗ってもらうか」

「ありがとう!助かる!」

セインになるべく安全な場所へ案内するように伝える。


ーー閃光ーー


山に落ちた船が爆発したようだ。

稜線の木々が吹き飛ぶのが見えた。

街の方の火が一瞬消えて再び燃え出す。

バーンー激しい音が船を震わせる。

クレーンが先端が折れ曲がり船の横を崩れていく。

船が左に傾斜していく。水門が破壊されたようだ。

島自体が振動している気がする。


船内が明るくなる。

「船長条件付きで行けます!」

入り口のレバーをくるくる回して階段を収納して、

急いで階段を駆け上がる。


「状況は?」

「魔素動力が使えず、これが全開です・・」

海の氷をバリバリ音を立てながら進む程度だ。

「街までたどり着ければ良い」

「了解」

「船はあるだろう・・」


その読みは間違っていた。

街の海岸に乗り上げると、多くの人が駆け寄ってくる。

住人、巡礼者、湊には炎上破壊された船が多数。


酒場にいたオルドもいる。オルドの様子がおかしい。

血のようなものが体についている。

なにかがいる。収納式の弓を広げると同時に、

炎の中から黒い物体が飛び出て、オルドめがけて突っ込んでいく。

「オルド後ろ!」

剣を抜き後ろに振り返るが間に合わない。

黒い物体の口が開き牙が見える。

------>

オルドの左をかすめ

口の中に矢が刺さる。

「すまん!パッチ!」

駆け寄り刺さった矢を抜く。

「オルド・・・囲まれてるぞ」

「わかってる」

オルドが剣を1本投げる。

左手に握り剣を構える。

炎の中からゆっくりと5体、現れる。

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