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ドラゴンルート  作者: 56GEN


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88/90

レイランと初めて会った記憶

船団は目的地に向かって並んで飛行していると、思う。

前にいるレイランの船が大きくて、その前が見にくいからだ。

「ありゃ船のバランスが悪いわぃ・・見てて不安になるぞ」

「ヴァクーのいたクルフェイノ造船都市で作った船?」

「クルフェイノ造船は一級品、あれは、珍品のスフィア製船だ」

「骨組みの設計はこの船と似た旧世代の堅牢な構造をしているが、盛りに持った盛った装飾や武装で台無だ」

「尻が上を向いているだろ?前の武装が重いんじゃ」

確かに前のめりになって飛んでいる。


「レイランとは昔から?」

寝ていたと思っていたゼネルが口を開いた。

「15年ほど前にヘッジポストで捕まえた」

「捕まえたって・・」

「輸送ギルドの仕事を受けるようになる前は、クロモス商船で仕事を受けていたんだ」


「え〜?クロモスって言ったら密輸」

サーリャの声が通信機を通して聞こえる。


「一部は輸送ギルドに吸収されてしまったけどね」


「当時、密輸拠点は世界中にあった。

商船側が把握していない拠点があったほどだ」

「黒竜大陸のザレ酒。

この国の領主達に人気で、

警備の隙をついて密輸していたんだ」


「幻の酒になった事件か」

さすが、酒の男だ。


余った酒が売れなくて、

寝かせることでさらに美味しくなり、

価値が爆上がりで、バルフェリアの連中が買えなくなった事件だ。


「せこい領主達が臨検で酒を接収しだして、

違約金まで要求するようになる。

さらに、幹部が領主へ輸送予定を故意に漏らし金品を受け取っていたんだ。

怒り狂った船長達の一部が暴れ、幹部を吊るして仕事を受けなくなった」


「バルフェリア南端都市ヘッジポストに停泊中に、

商船解散を聞かされ、仕事が無くなり予定が消え、

空賊にでもなるかと考えていたら、

コソコソ忍び込んできた奴がいた。

船を動かそうとした所を捕らえ拘束した」


「その時から、盗みをやっていたんだ」


「今よりも痩せて、体が震えて顔色が悪かった」

「竜石鉱山に連れて行かれた兄を救いたいと」

「兄って?ロイックさん?」

「よく分かったね。実の兄弟だ」

「よく見れば、似てるからね」

兄が弟の栄養を吸い取った感じだからね。


「ウインザード側に竜石鉱山見つかった時にバルフェリア側から鉱山へトンネルを掘って資源を奪おうとした領主がいた。ベデウスト領だったか・・忘れたけど」

「最低ね」

「自分の領地の住民では足りないと考えた領主は、

空賊にヘッジポスト付近の村を襲撃させ、

住民を拉致させたんだ」

「空賊の船に追いつくために全速で飛ばして、領内で交戦中の空賊と警備船を見つけたんだ」

「後で、分かったことなんだけど、

領主が警備隊に対して、

空賊が住民を拉致したと垂れ込み、

拉致費用と空賊退治をしようと画策したんだと」


「なるほど・・組織を崩壊させる手法だな。それくらいのことは・・住民を使うのは好かないな」

ポツリとゼネルが呟く。ぜネルなら・・考えるのはやめよう。



「両方の戦力を排除して、輸送船に乗り込んで助け出すことが出来たんだが・・」

「貨物船には住民約500人も乗っていた。

家畜や荷物を乗せて飛ぶには、色々問題が発生した」

「領主、空賊残党に追われバルフェリア内を彷徨い商船の密輸拠点、あの渓谷に船を隠したんだ」

「港湾施設と通信機、水と魚には困らないからな」

「結局、あの渓谷に住み着いてしまった」


「いろいろ大変だったんだから」

「レイランがいなければ空賊になっていたかもね」


船団が降下していく。目的地が近いのか。

速度を落として高度を下げていく。

地上は真っ暗でここはどこなのか、全くわからない。

敵もこの暗闇の中を首都へ向かっている。お互い様だ。


「レイとは、渓谷の魚を干したものや魔獣の肉、

革を黒竜大陸やウインザードへ何度か売りに行った」


「昔も今も変わって無い」


「良かった、元気で。パッチが長い事、話してくれたのは初めてじゃない?」

そうだっけ・・・

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