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ドラゴンルート  作者: 56GEN


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戦いの後の宿屋

マナは桶に暖かい水を持ってきてゼネルの顔についた血を拭き取っている。

壁にかかっている黒いローブを手に取ると、

クレバーと俺にゼネルを着替えさせるので窓の方を見るように言う。

ガサゴソ音がするが窓を見る。カーテンがひかれているので布を眺めているだけだ。

「なんでこんなに傷だらけなの?」

ゼネルの体を見て言っているのだろうか、服のことだろうか。

「あ〜ここにもある!?この切り傷、服に穴が空いているわ。教王と戦った二人組がいたってすごい噂になっているわよ!絶対あなた達でしょ!!」

「もうこっち見ていいわ」

出ていけ!とマナに怒鳴られるかと思ったが、メイド服を畳んでテーブルの上に置き部屋から怒って出ていった。

ゼネルはいつのもローブに着替えていた。


「教王の術があれほど強力だとは知らなかったぜ・・」

クレバーは椅子に座り腕を組む。

「奴の術は強かったが、あいつ・・・ただの飾りだ」

ゼネルは壊れた扇子をいじりながら悔しそうな表情をして呟いた。


飾り?

「移動要塞もなければ守備隊も少ない。餌に釣られて誘い込まれたと考るべき」

ゼネルの耳がピクピク動いている。あの状況で、そういう考え方が出来るのか。

誰に・・

そういえば、影が言っていたなぁ、魔素を取り込めるやつがいると・・・

「俺か!」


「「えっ?」」

突然の独り言で、驚いていた。俺も、みんなの反応に驚いた。

「あ・悪い!びっくりさせて!今の独り言な」

頭を掻いて誤魔化す。


「教王を排除できた訳だが、残党の対処をしなければならない。

そこで、ガーランド、クレバー、頼みたい」

「「俺たちに?」」




「光竜様の帰還の噂を流してほしい」

「それだけでいいのか?」


「教王は光竜様の使徒によって倒されたと、

これだけでいい」


「おとなしくなるか?」


「一時的にかな・・更地となった神殿を見て敵対しようとするものはいないだろう」

「この際、パルマには前面に出てもらう」

え?前面?

「ん?不満か?教王の座もこの国もパルマの物だと言っておる」

へ?

「俺が?無理だ」

「なぜだ?バーミリア様の声を聞いたのだろ?この国の人は手放すまい」

「そうね・・逃さないわよ」

ガーランドが今にも飛びかかってきそうだが、ゼネルによって抑えられているが、いやらしそうに舌なめずりをしている。

「他の道は・・」

「ない!」


「俺、一応、領主なんだけど」


「そんなこと、関係ない!!私に任せておけ!!」

ゼネルは絶対に信用できない奴リストの中の上位に入る。


「早速、クレバー、ガーランドお願いする!!」


「やれやれ・・奴隷商は廃業だな・・」


「はぁ・・警備船を落とすのは出来なくなりそうだ」

二人は愚痴をこぼして部屋から出ていった。


ゼネルと二人きりになった瞬間、部屋が広くなった気がする。

ゼネルの目的は真竜石を砕くことだったはず。この国の支配とかは考えてなかったのかもしれない。


影


魔素


教王


星図


ナルがエルミウスから言われた「真実を追え」の意味


二匹の竜


ラーナ、ラーテ、ラーンの正体


真竜石


「な〜んか考え事をしている時の顔だな・・」

ゼネルは隣に座る。


「魔素って知ってる?」


「何?その魔素って・・・」

即答だった。

「影が魔素を取り込める奴が俺って言ってたんだ」


「その影って何者」


「確か無に等しい存在って言ってた」

「その正体に心当たりは?」

「全くない・・初めてだったし、思い出しただけで寒気がする・・」



ゼネルの知識でもわからないことがあるのに驚いた。


「影が俺の記憶が封印されていると言ってた」

「なんで?」

「なんの記憶が封印されているのか全くわからないよ」

ゼネルは少し考える。

「初めて出会ったときのことを覚えている?」

「あ〜思い出しただけで体が痛くなった」

「大丈夫みたいね」

ゼネルは少し笑みを浮かべる。

「初めて、操縦した時の記憶は?」

「・・・・ない・・誰に教わったかも無い・・・」

いつも目覚めると明るい日差しが窓から入ってきて、空には白い鳥がいる。

階段を降りていけば空を飛びたそうに待っている船がある。


「名前とその辺りの記憶ってことか」


「封印ってされる物なのか?」

「忘れていくものだと思うわ」

それには同意する。


ドンッ!!


ガーランドがノックなしで入ってきた。

「ちょっと!!二人で何楽しんでるのよ!!アタイも混ぜなよ」


パチン!


突進してくるガーランドを強烈なビンタではたき落とし、

「部屋に入るときはノック!!」

「痛え〜。冗談だよっ・・同じ長耳族でしょうが・・」

涙目になりながら腕を伸ばし触ろうとしてくる。

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