宿へ
空に黒い影がゆっくりと星を隠す。
船だ・・バルフェリアに来て初めて警備船意外の船を見た。
翼を広げた状態で翼の淵が月明かりに照らされ美しい。
ディビニティ
なんだよあれは俺の船だ。
船は港の方向へ降りていった。
クレバーに肩を借りるがうまく歩けない。
身体中が悲鳴をあげていていうことを聞いてくれないほど疲労してたのだった。
馬車の荷台だろうか、放り投げられどこかへ運ばれる。
どうも、怪我人を大切にするという考えが無いようで激痛が走るが声が出ない。
街の方には被害がなかったようで建物は崩れたりしていないようだ。
窓辺にたくさんの人たちがこっちをみている。
信仰の対象でありこの街の財産の神殿を破壊して悪かったと思う。
馬車の周りにガーランド、クレバーの部下の他、兵士、僧兵がいて一緒に歩いている。
ここで、誰かが剣を抜いて襲いかかってきたら俺はもう無理だ。
馬車はパカパカとリズムを刻み街中をゆっくり進む。
バーミリアの声はもう聞こえないが、同じようにナルはエルミウスから声を聞いたのだろうか。
正直、竜の声なんて言うのは変わり者じゃないかと少し思っていたのだが、実際聞いてからは俺も他の人からそうみられるのだろうか。
このまま、港に行き船に乗ってこの国から脱出したいと考える。ゼネルとの教王を襲った件は問われるだろう。
空から白い結晶がふわりと落ちてきて手のひらに消えた。
空には雲ひとつないのに雪が舞う。
馬車が停まる。見覚えのある風景だ。
マナが宿から出てきて周囲の人の多さに目を丸くしている。
クレバー、ガーランドに肩を借りて馬車から降りると膝から崩れ落ちてしまった。
クレバーに背負ってもらい部屋に入ると暖炉に火が入っていた。マナが火を起こしてくれたようで暖かい。
そのまま、ベッドに寝かされ布団をかけてくれた。
心配そうにゼネルはこっちを見たままマナに肩の布を交換してもらっていた。
「あんた達、いったい何をしてきたの!!」
少し怒っていて布を交換するとゼネルの肩を叩いて出ていった。
ゼネルは苦笑いをするだけでマナには何も言わなかった。




