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ドラゴンルート  作者: 56GEN


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世界長耳美人第365号

気温が高いと外を歩く気がしない。部屋の窓を開けると風が吹き込み

通りも人通りが少なく日差しを避けて歩く人ばかりだ。

時々警備船が3隻並んで上空を飛行していく。

ゼネルはメイド服に着替えて地図を広げ悩んでいる。


この国の人たちはほとんど、俺と同じ人族で、ゼネルやガーランドのような長耳族、ナルやトュリスの獣族は見当たらない。

結局、昼の食事後に気分転換したいと、神殿の方へ向かうことになった。

全ての道は神殿の方に伸びているので、わかりやすい。

隣の路地と合流するところには、食品店が並んでいるが店頭に品物が陳列されていない。

店頭の看板に品物名と価格、在庫数が書かれていて、店主に注文するスタイルだ。

この時間は、客が少ないようで、店頭で椅子に座って通りを眺め、ゼネルを目で追う店主が多い。


しばらく進むと、庭付き建物に変わり、城壁に突き当たった。

城壁は船よりも高く、一定間隔で砲門が据え付けられている。

城壁沿いの道は石畳に変わり、歩きやすい。警備の兵士とすれ違うことが多くなってきた。

見張り台がある門が見えてきた。

門の前には機械の中に人が乗っている馬のような物が門を守っている。

初めて見るもので、ゼネルに聞いてみると、

「ソルライダ装甲馬だ」

ゼネルは呟く。

どうやら、人が操作することで火薬弾を発射したり、炎を噴射する兵器で、帝国製らしい。

「動きが鈍い古い使えない乗り物だ。帰ろっか」

ゼネルは俺の手を引っ張り路地に入っていく。


この通りも、人影はあまりなく静かだ。

ゼネルは、仕立て屋を見つけると、ドアを開けて入っていく。

「いらっしゃい」

店内の棚には色々な生地が収納されている。

メガネをかけたお婆さんが奥からゆっくりと出てきた。

「この服の表裏にある名前を外して欲しい」

ゼネルは夢雪亭の刺繍を見せる。

「それかい・・分かったよ」

ゼネルは机に銀貨を置く。

「服を脱いで」

道具箱を持ちゼネルの横に立ち、カーテンを閉める。

店の斜め向かいに書店があったので、ゼネルに書店に行くことを伝え、店を出た。



店主に魔法の本はあるか聞いてみる。

「魔法って伝説のあれだろ?長いことやっているが見たことないよ」

「冷やかしに来たのか?少し匂うし・・・」

やっぱり、まだ匂うか・・・

「悪いね!お邪魔さ・・・」

おおおおお!!

=空中戦闘教本翼機対応 レビニス著第5巻=

最高の操縦者と言われたレビニスの著書。

ここにあるのか・・


財布を覗くと、ゼネルからもらった金貨二枚・・金貨には竜の紋章があり美しいがこれで足りるだろうか。

店主の顔を伺いながら考えていると、


ん?な・なんと!

=世界長耳美人第733号=

いつもより分厚い本だ。これは・・・

「店主」

「まだいたのか?」

「これは・・・いくら?」

「ほお、好きのか?」

こくり。

「・・僕も」

まじか!!なか〜ま!!いたー。

「これ・・最終号なんだよ」

「で?」

「金貨二枚」

「高い〜〜〜」

店主は棚から取り出して、ページを捲る。

ラーロッドの街で見かけた長耳ちゃん。

パン屋を営み周囲を幸せにしている。

「この子、スゲー美人!」

「だろ?写真も綺麗な状態を保っている希少本」

名前と身長、胸、などの情報が記載されている。

心がこれを絶対に買えと言っている。

空中戦闘教本翼機対応は

「これは、教科書のように使われていたと聞くよ?興味あるのか?」

「少し傷んでいるから銀20枚だ」

こっちは、安い!!!


「パルマ!」

ゼネルが入ってきた。

黒色のメイド服だ。


「え?」

店主が驚いた顔をしている。

「ゼネル・メイフォーベル!?」

「その名で呼ばれるのは、いつぶりだろう」

店主はカウンター下から、本を取り出す。

紙が挟まれているページを開くと、

ゼネルがいる。今と全く変わらない。いや、優しそうな顔をしている。

いやいや、足元に人が倒れているぞ!しかも、胸がある。

「おお、懐かしい、これは、・・・なる前の頃だ」

ベルランデの酒場で見つけた色黒長耳ちゃん。

思い人を探して旅をしている。近寄るな危険。

体の数値表記がおかしいぞ。旅人だったのか。

「あの・・・一緒に写真を撮って欲しいです」

「困る」

ゼネルは断った。

「あぁぁ」

店主はガックリして肩を落としたが諦めなかった耳好きは次の一手を打った。

「733号と、レビニス著第5巻、二つで金2・・・いや1で」

少し考えている。

「わかったよ!でもね・・馬の匂いが・・」

「気にならない!!」

カウンターから飛び出して、向かいの写真店の主人を連れてくる。

「レイセン!なんだよっ!俺、仕事中だぞ!」

写真店の店主はゼネルを見る。

「ちょっと!!店、閉めて来る。写真機持ってくる」

飛び出していった。


主人とゼネルの並んだ写真と、写真店の主人を入れた写真を撮ることに。

「これで!ゼネルさんの顔を照らして!」

写真屋の主人より板を受け取る。光を当てるのが難しい。

「上から照らす方がいいか?」

「下の方がさらに可愛くなるぞ!」

「いいねえ!美人だ!」

「体を斜めで、フリフリを少しだけ!持ち上げて!こっち見て!」



「もう一枚!」

「しょうがないなあ」

嫌がらないのは珍しい。楽しんでいるのか?

「この写真のような構図にして!

僕はここに立つから、ゼネルさんはこの時の感じで、君は、倒れている人をやって!」

俺もか!


「いてぇ!」

ゼネルに踏まれる。




「733号、買ってもいいんですか?」

「みろ耳好き君!」

カウンターの下には1〜733号まである。全部あるそうだ。

サーリャはその中にいるのだろうか・・・


世界長耳美人第365号にゼネルあり。

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