表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴンルート  作者: 56GEN


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/68

鞭使いのガーランド

廃村の中央にある屋敷の庭には船の残骸が山積みされており、動けそうな船は見当たらない。残骸には組み立て中の船があるが飛べないだろう。

館の入り口を逃げて行った子分達が剣を振るわせながら守っている。


子分の一人が館内に入って行った。

しばらくして、

「ア〜〜ルイン!!」

女性の怒鳴り声だ。爺さんはビクつき下を向いたまま、固まっている。

屋敷の奥から、重い足音が響いてくる。

ドスドスドス!


サーリャを横に二人並べた太った長耳の女性だった。

「迷惑をかけてしまって、すまないねぇ」

ゼネルに素直に謝っている。


爺さんに視線を移し、

「男を買ってこいと言ったはず・・!奪えとは言ってない。

私の名前に泥を塗る気か?」

「姉貴!す・すみません!頂いたお金を使ってしまって・・」

フっ・・ハッハハ

怒っていた顔が笑顔になり笑い出す。

「どうせ、酒だろ?」

爺さんの肩に手をそっと置く。

「はい・・・つい・・」


「まあ、良い」

「「「姉貴!!」」」

「お前ら全員か!!」

「「「頂きました!!」」」

「悪かったな!男を買ってこいと言って」

俺と目が合い、

「私好みのいい男・・」


女性は子分を見渡す。

怒るかと思っていたが意外と心が広いのか。


「娘から奪おうとして、逆にやられたという訳だな」

「その通りで・・・かなりの腕で」


「そうか、ならば勝負!お前達は手出し無用」

なんでそう好戦的な奴ばっかりなんだ。

壁にかけてある鞭を手に取って

「悪いが、その男をいただくよ」

俺にウインクと投げキッスを飛ばしてきた。

ゼネルは扇子を前にかざして、

「渡すわけがなかろう!」

鞭が勢いよく打たれた。

ゼネルは左に避け鞭をかわす。

鞭は重いはずの船の残骸を弾き飛ばした。

あんなのに当たれば、怪我どころでは済まない。

鞭をゼネルが飛んだ方に振るって弾き戻す時、足に絡める。上手い。

そのまま、鞭を引き寄せるが、ゼネルは女性の力を利用して肉薄して喉元に扇子を突きつける。勝負は一瞬で決着がついた。

「しま・・・」

女性は声を出すことが出来ない。

「こっちは、急いでいるんだ。

くだらぬ茶番はもういい」

ゼネルは鞭を奪い縛り付ける。

「ああ〜そんなぁ」

縛られる女性を見て爺さんは崩れ落ちる。


ゼネルは女性を隅々まで触り、胸の谷間にあった財布を見つける。

チッ!

女性は舌打ちをして、

「私の負けだ!好きにしろ」

金貨を15枚ほど抜いて、女性の胸の間にしまう。

胸をしばらく揉んで女性の頭を叩いた。

胸の大きさは負けていたんだろうか。


女性は立ち上がり、振り返る。

「その男、奴隷市場で取引をするんだろ?」

「さあどうかな!」


「都の近くまで送らせる。今回の迷惑をかけたお詫びだ」

爺さんは馬を連れてきた。

「私は、ガーランド。お前を奪えなかったが、必ず手に入れる」



ゼネルは手下達を使って俺を馬に乗せる。

「落ちないように気をつけるんだな!」

ゼネルは俺を見て楽しそうにしている。

アルイン爺さんが先頭で子分と同じ馬に乗せられ、ゼネルが続く。

俺は、後ろ向きに乗せられているからだ。


館から出ると、歩いてきた道には出ないで細い道を進んでいるようだ。

爺さんによると、こっちの方が検問が無いので住人はここを使うそうだ。

すれ違う人の数はこの道の方が多い。

「ここを下っていくと、さっきの道と合流して、都まですぐです」

爺さんの声がする。


多分、都が見えているのだろうが、後ろ向きの俺には全く見えない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ