強者は弱者を奴隷にする
ん?ここは?森の中?
「気が付いたかい」
縄で縛られている。馬の上!?しかも、馬のアレまみれで臭い。
馬が止まる。
ゼネルは縄を引っ張り、地面に落とされる。
「ここからは、歩くのだ!」
ゼネルはヒョイっと馬に乗る。
「さて、行こうか」
ちょっと待て!縄を外してくれ!で!ここは?
「ここからは早足で行くからな!」
獣道を進むこと半日?どれくらい経ったのかわからない。
小さな川沿いを、永遠と歩かされていて、時折、ゼネルは地図を確認している。
「ここだな」
ようやく、立ち止まり、周囲を見渡すと、斜め後ろに洞穴がある。
「今日は、ここまでだ」
ゼネルは川で馬に水を飲ませ、近くの木に馬をつなげた。
「縄、外して」
「外す?勘違いしているのか?お前は・・私の奴隷だ」
奴隷?
「そんな・・勝手に奴隷にするな!」
「思い違いをするな!強者は弱者を勝手に奴隷にするものだ!」
「この臭い匂いを」
どうにか縄から抜け出して、船へ戻りたい。
「私は、この匂い好きだぞ!
それに、やっと二人きりになったのだから」
首筋を舐める。
全身鳥肌が立つ。
洞穴から這い出して脱走しようと走り出したが、縄を引かれ、倒れ込む。
洞穴の岩に縛られて、身動きができない。
焚き火の向こうには不気味な表情を見せるゼネルが見える。
「お、便所。行きたいです」
ゆっくりと立ち上がり、足元に穴を掘り始める。
「ここで」
「え?」
「ここで出すのだ!」
「ズボン濡れる」
「脱がさせてあげる」
一気にズリ下された。
ゼネルは少し表情が柔らかくなったが、怖い表情に戻った。
お尻が冷たい。
「どうして!俺を」
「首都ヴィデに入るための手段だ」
「奴隷としても売れる。当局に指名手配されていれば使える」
「仲間じゃなかったのか?」
「仲間だと?私は元、皇帝だぞ!目的の為なら、どんな手段も使う」
まじか!こいつを何故か信用してしまった自分が浅はかだった。
奥歯を噛み締めた。
岩に縛られ夜を明かしたのは初めてだった。
洞穴に光が差し込む。
長耳の女性が着替えている。
女神・・・サーリャ・・
ゼネルだった。
悪魔・・・。
目を覚ます度にゼネルはこっちを監視していた。ゼネルは一睡もしていないのか。




