いろんな想い
地図を眺める。入国する方法をゼネルと詰める。
サーリャもベットに座って眺めている。
密入国することは今まで簡単だったが魔光弾を装備する船がいたことで話は変わってしまう。
正式に入国する場合は、ミベニール侯爵領からだけど、バルフェリアと紛争中だから無理。
都から二日ほど離れた渓谷に密輸組織の拠点があったはずだ。そこなら、船を隠せる可能性がある。
「ドラゴンルートを使うか」
「ドラゴン・・ルート?」
サーリャが不思議そうに聞いてくる。
「この星で最短、最速の移動ルートのことだよ」
「初めて聞いた」
「引力に逆らって、この船はドラゴンルートを飛べるんだ」
「星の世界に行ける船?」
「行ける。計算がちょっと複雑で、間違えると星の世界で迷子になるし、
飛竜石の消費が大きいから非効率なんだ、
今回はゼネルの鱗貯金から差し引くよ」
「私のわがままだからな」
「迷子は怖いけど・・星の世界かあ、楽しみ」
上昇地点は岬の灯台で、目的地はヴィデ近郊の岩山。地図に書き込んでおく。
岩山に降りる為、計算をして上限下限線を引く。
「正解だ」
ゼネルは頭の中で計算できるのか。
「前回と同様に早朝に着くように」
そうなると・・・真夜中出発だな。
「その、密輸組織とやらは大丈夫なのか?」
「何年も行ってないから、あるか、わからないし、もちろん信用なんて、できない」
「物資を持って行こう。村と同じく困っていると思う」
ベッドを見るとサーリャが横になって寝ていた。
長耳が時々ピクピク動いている。
毛布をかける。
ゼネルは机に伏せて寝ていた。
「レイト・・」
夢でも見ているのか。
サーリャの横に運ぶ。
椅子をたたみ、床に横になり、毛布をかぶる。
今は、ゆっくり寝よう。
ランタンの火を消す。
朝、窓からの光が顔を温かくした。
反対側に転がると、ナルのぱっちりした瞳と合う。
「おはようパッチ!」
ここは、俺の部屋だよな・・
「へへ!一緒に寝ちゃった」
ナル!大胆な子!
「トュリスの部屋から・・その・・あの・・」
「どうした?」
「声がして・・興奮するの」
「もう、、我慢できなくて
来ちゃった」
「シ・シオンさんが黙ってないよ」
「平気!昨日、ヴァクーさんのお酒飲ましたから・・山ほど・・」
怖い。
「あの、そのね」
「恥ずかしいぃ」
両手を顔に当てて、ナルは反対を向く。
尻尾が下半身をさすって、気持ちが昂ってくる。
尻尾を優しく握る。柔らかい・・
「ひゃっ」
か・可愛い・・
「尻尾もっと触って・・」
ナルはピッタリ体を寄せてきた。
バタン!
「ナル!!」
扉が勢いよく開いてシオンの大声がする。
「うぉっ」
「いてぇ!」
シオンが俺の足に躓いて倒れてきた。
重い・・お胸柔らかい。
「邪魔しないで!!」
ナルは怒っている。
シオンはそのままナルを抱えて床で寝てしまった。
「ナル、離さないわ」
「うりゅるさい」
目をこすりながら起き上がるサーリャと目があう。
「おはよう」
「あっ、ごめん!ベット使って」
毛布を直そうとして、めくるとゼネルが横になっていた。
「わっ」
「この子、何も着てない!」
「見られて困るのか?」
「そうじゃなくて、風邪ひくの」
「風邪っていうものを体験したい」
「おいおい!朝から騒がしいぞ!
酒はほどほどにな」
部屋の前を通ったヴァクーは部屋を覗き込んでシオンの尻尾を見てニヤニヤしている。




