報告と報酬
エルディンに着くと夕方で雨が降っていた。夕方に港に戻る船が多く、ギルド商船や貨物船が並ぶ。
港に船をつけるとすぐ、荷受け係がやってきて積み荷を確認する。
セイン、ヴァクーでギルドに報告しにいく。サーリャは積荷の積出を見ている。
昼間とは違って、船長たちで多く賑わっていた。
コリンは他の船長と対応していて、しばらくギルド内を見て回る。
職員が壁に仕事を貼っている。船長たちが群がりいい仕事を見極めている。
「この時間に仕事を貼り出すことが多いんだ」
コリンは受付の隣の扉を開けて、手招きする。
「もう少し早く帰ってくるかと思っていたけど」
「寄り道を少し」
個室に通され、コリンの聴取を受けることになった。
「話を聞く限りでは住民の状況が思った以上に悪いわね」
地図を広げて違うことも伝えておく。砂地が河を越えて内陸に続いていたことを。
「2年前の地図だからね~」
見た風景をそのまま地図に書き込んだ。
「2年でここまで?変わる?」
「本部に報告をあげないといけない情報だわ」
コリンはハンコを押し、金属の板に紙を当てる。遠くの場所にある金属の板に内容が写される仕組みだ。
「帝国水上輸送船がバルフェリア近海にいた」
「帝国水上輸送船?ってなに?」
「大きい船」
「どの辺りで?」
地図を広げて指をさす。
「他の船長からも巨大船の話が出ているのよね、別の場所だけど」
別の地図を出して、目撃場所を記録している。
「繋がるわね。この船は、ここが目的地だったってこと?」
「周囲にバルフェリアの大型船もいた」
「帝国の船だとして出航してから、ひと月ってところかしら、
これも本部に報告っと」
「暗くてどこの船かわからなかったけど、たぶん、バルフェリアの警備船から魔光弾の発射を確認した」
「多分って、見てない訳?」
「舵握ってたし、見れないでしょ」
「暗くて、よくわからんかったが、形はバルフェリアの船じゃ」
「一応、他の船長に警告出しておくけど」
「ここに二人のサイン書いて!」
「これも、報告!」
「もう無いか?」
馬車の件はいいか・・・
「大変です!」
職員が部屋に紙を持って入ってくる。コリンは目を通した。
「すぐに」
「魔光弾の件だ。バルフェリアの直近航路が使用禁止となった」
「本部に報告してすぐか・・」
船から下ろした生地の確認が終わったようだ。
個室から追い出されてカウンターへ案内された。
今回の報酬がカウンターに出される。
赤鱗10枚 黒鱗8枚 白鱗2枚
並べられる。
「白2・・・多い」
「情報が多かったのでね」
「黒に変えれる?」
「いいよ」
黒20枚並べる。
「ありがとう」
カウンターに赤1枚を置く。
コリンは身を乗り出して耳元で、
「領主になったって聞いたわよ!悪かったわ、こんな仕事を頼んで」
珍しく謝るなんて。
「向こうの国の人々のように苦しまない為にも、
俺の代わりを見つけようと思った」
「あら、珍しいわね。権力を握ると人って変わるものよ」
「そうなりたくないね」
飛竜石の消費した分と経費を抜いての分配だが、今回は破損していない、かつ、報酬額が大きいので、セインはニコニコしている。
黒1枚は船の修理運用費用でその他は人数で割る。
一人当たり、黒3枚と黄色3枚といったところか。




