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ドラゴンルート  作者: 56GEN


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49/68

行きたくない国への輸送

船が揺さぶられる。セインが合図を出している。

服を着替えて、顔を洗いブリッジに入ると、セインが舵を持っていた。

ナルはハンモックで、シオン、サーリャ、トュリスは床で仲良く寝ている。

単眼鏡で遠くの山を確認する。山頂に少し朝日が当たっている目印の岩山を見つける。流石セイン。地図のルート確認をしてから操舵を交代してセインは後ろに下り、壁にもたれる。


バルフェリアの山々だ。

出入国や物資輸送は厳しく監視されていて、臨検は毎度の事で、船乗りからは避けられる国。日の出前に山地に入ることができたので状況はいいほうだ。

「今更なんだけど・・だいぶ前に、ブレイートに輸送した時、兵士の奴らの態度があまりにも悪くて全員を殴ったんだけど、

指名手配になっていないよね・・」

セインから珍しく話しかけられたかと思ったら、そういうことね。

「鼻水小僧の船でか?」

「はい」

「大丈夫」


「ブレイートの街ではないけど、港から出る時に、わざとぶつけて来た監視船がいた。ぶつけてきたのに墜落して、燃えてた」

「周りにいた監視船が一斉に追っかけてきたが逃げ切ったよ」

「ひでぇ」

「だろ?翌週、警戒しながら行ったら、港に入れたことが驚きだった。情報共有は何もされて無い、問題なし!」


「あんたたち、殴った、逃げた、散々なことやってるのね!」

サーリャは立ち上がり毛布を畳む。

「そういう人たちの情報はギルド入ってきているのよ、

もみ消すけど〜」


セインの背中を叩いて、ブリッジから出ていった。



高度を出来るだけ下げ、岩山を背にして、光の射線に入らないように気をつけながら飛行する。

山風が出てきて船が大きく上下するようになってきた。

ナル、シオン、トュリスも起きて身支度を始める。

ゼネルもブリッジに入ってきた。

「悪い、昨日はちょっと飲み過ぎた」

頭と背中を掻きながら外を見る。

山肌に沿って飛行するので景色を楽しむことはできない。

山がひらけてきて、砂山が広がる地域に入った。

ギルドからもらった地図によると、砂丘山地を越えれば、横切る河があり、その先は畑が続く穀倉地帯になる。

岩山が唯一の目印だ。

サーリャとナル、シオンがブリッジに戻ってきた。

サーリャはギルド服に着替えていた。

「河から入ってという指示は?」

「あれは、多分、罠」

「途中で臨検して、物資を奪えば、対価の織物を渡さなくて済む」

「そこまで、するかね」

ゼネルは腕を組んで首を傾ける。

河を越えてしばらく砂地が続く。

ナルに操縦を変わってもらう。地図と方位、目印を確認しながら進路を修正する。

地図上ではすでに畑が広がっているはずだが、荒地が広がっているだけだ。

ようやく畑が広がる地域に入った。超低空で飛行する。

畑の真ん中に、村が見えた。指定された目的地は、あの村か。


「村の周囲をゆっくり2周回って真ん中の広場の上に停止できる?」


「わ・わかった!やってみる」

「家に当てなければ、地面を擦っても大丈夫」

セインは船外に出る。

船が村に向けて降下し、右に傾斜する。

家二つ分の高さの所で旋回している。

「いい感じ!」

広大な畑は荒れているのか、作物がなっている様子は無い。

村人が家から出てくるのが見える。

木とワラで出来た家だ。

村人の手には白い生地を持っているのが分かる。

取引の話は伝わっているみたいだ。

監視船の影は見えないが、周囲の警戒監視は必要。

ナルは上手に広場の真ん中に停止させた。

「うまく出来た」

ナルの頭を撫でそうになったがシオンの目が光っているのでやめた。


「ご飯、準備しよっ!」

ナルとトュリスは二階の厨房へ入っていった。

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