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ドラゴンルート  作者: 56GEN


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フレイロア侯爵の船

プリエスタ侯爵領に向かうフレイロア侯爵の船に乗せてもらい、

エルディンへ向かうことになっている。

迎えにきてくれた馬車の蹄の音が重々しい。

屋根に大量の荷物が積まれているからだ。

シオンと、大柄な男性、小柄な女性の三人が馬車内を圧迫している。



騎士のライリス。

鎧はかなり磨かれていて光が反射している。

戦場で目立ってどうなのかと思う。

年齢は30代くらい・・髭顔に深い傷があり、怖い。


もう一人、ナルに頼んだ人材だ。

ケイラは文官で、ナルと同じようなローブを羽織っている。

アーヴィ男爵家二女で30代くらい・・

眼鏡をかけて、灰色髪の女性でエルディン出身。

分厚い本を抱えている。ライリスはケイラの護衛だ。


空中戦艦用の港へ馬車は入っていく。

馬車内の簡単な検査をする。

港の中は、ゆるい上り坂となっていて、穴に空中戦艦が収まり係留されている。

地上にある時は、砲台として使うようだ。

大きな戦いでもあったのだろうか。



中腹の空中戦艦用の大きい穴に、フレイロア侯爵の船が寂しく停泊している。

空中戦艦がどれだけ大きいか見ただけでわかる。

侯爵の船は豪華な装飾がされていて光に反射して輝いている。

各部から蒸気が出ていて出発準備はできているようだ。

船の砲門が動いていて、周囲を警戒しているようだ。

ここから、城へ撃つこともできるだろう。

どうなるかは想像を超える。

砲門は前後上下1か所にあり、真上真下のみ死角のある船だ。

接近してしまえば落とすのも簡単だろう。

他人の船に乗ることなどない生活をおくってきたが、初めての経験でワクワクしている。


船の接続橋前で馬車は停まった。

各自、自分の荷物を降ろす。

俺の荷物は服だけだ。

船を見上げると、傷だらけの俺の船とは違い、磨き上げられた船体は美しかった。


ライリスは身長ほどある大きな斧を背負う。

実際の戦闘では腰にぶら下げている斧を振り回すらしい。

大きな斧は・・・ただの飾りなのだ!

エルディンは少し暑い場所だと聞いているが、ライリス君!大丈夫か?すでに鎧から汗が・・


接続橋を渡り、船内へ案内される。

床は全て赤い布が敷かれて、靴を脱ごうと思ったくらい歩き心地が良い。

また、電気があり船内はとても明るく、外より涼しい。おっさん臭のする船とは違って花の香りがする。

部屋の扉が両側に配置してあり、乗員の名前が貼ってある。一人一部屋で鍵付きという豪華仕様だ。


階段を登っていると船が浮き上がる感覚がした。操船はとても丁寧だ。


ブリッジに案内されたころには既に水平飛行中だった。

船長席は少し高い位置にあり、指示を出しやすい配置になっている。

フレイロア侯爵は座らずに、操舵手と話をしていた。

シオンは侯爵をウェインと呼んでいるので、ウェイン・フレイロア侯爵ってことか。

シオン・フレイロア?

操舵触ってみると、動きが鈍いが速度が増すごとに安定する。

重量がある分、高速で回せる良い船だ。

「褒めて頂いたと思っておこう」

この機会なので、性能限界まで出してみたくなった。

フレイロア侯爵は腕を組んで前を見ている。シオンと同じで凛々しい。

シオンは船長席に座るとすぐに寝てしまった。

音の壁の手前で船が小刻みに振動し始めるので、この先はやめておこう。

「おい!なんで、回転を上げてる?加熱してんぞ!」

多分、機関室からの声だ。操舵手が怒られている。

「悪い!突然上げてもいけるか試したかった!」

「無理させんなよ!」

操舵を元に戻していく。

「ごめん!怒られるようなことをして」

操舵手に頭を下げ、操舵を渡す。

「本当に怒っていたら、ここに怒鳴り込んでくるから、まだ余裕があるってことだよ」

操舵手は気にするなと言ってくれる。


「そろそろ、貴侯の領地が見えてくるぞ」

山地をこえて、時々、雲の間から地上が見え、大きな河が流れている。

並行して線路が走り遠くに海が広がる。

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