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ドラゴンルート  作者: 56GEN


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32/68

ゼネルに投げ飛ばされる。

部屋のベットで横になっていた。俺の部屋だ・・何時間、天井を眺めているのだろう。


オルドがやってきた。部屋に入ってくると匂いで分かる。

「起きたか?」


「オルド、ありがとう」

なんか、体が重くて動かない。


「おう!無理するなよ。ここは高度が高い。ヴァクーも部屋で青くなって寝込んでたぜ」

ヴァクーも寝てるのか。



「もうちょっと、早く来てくれよ」


「すまん、上昇に手間取ったわい」


「でも、ありがと。あぶなかった」


「なんで、ここってわかった?」


「パッチの船をつけていた船がいたんだぜ」


「気が付かなかった」


「王国の船だった」


「隣にとまっている船だ

船長はすごい・・・・綺麗な人だぜ」


「そうだ、王は?」


「無事だ!ナルと一緒にいる」


「よかった・・・」


「パッチ!入るわよ」

サーリャが入ってきた。


「元気そうでよかったよ」

サーリャは机の上にコップを置く。


入り口にはもう一人女の子が立っている。

「こちら、ゼネルさん」

サーリャが続ける。

「牢に囚われていたんだって」

黒いローブを被っていて皮膚は日焼けした色、耳はサーリャと同じく長いが身長はサーリャの方が高い。女の子だ。

小刻みに歩き、目の前までやってきた。暗殺者のような身のこなしだ。


「私ゼネル、将軍と戦った者に会いたくて、無理を頼んだのだ」

ゼネルは二人にしてほしいと言い、部屋には二人だけとなった。


左手を差し出してきたので、握る。


ドスン!


体が空中を舞い、背中から床にたたきつけられる。痛い。


「警戒心がない、これではすぐ死ぬぞ!」

痛い、なにしやがる!!このガキ!

と言いたかったが、痛みで声が出ない。

外にいたサーリャ、オルドが入ってくる。


「「パッチ!!なにをした!」」

俺じゃない!!この女だ!!と指を指す。



「騒がせて悪かった!

あの将軍の装甲をたたき割り、負傷させた腕を見てみたかったのだ」


壁に立てかけてある俺の剣を手に取る。

「手入れをしていない剣」

残念だけど、今まで、人を殺したことはないのでね。


右手のグローブを触りながら、


「こやつを鍛えよう」

え?

「人を殺せない剣は、剣じゃない」

殺したくない!!鍛えなくていい!!こいつ怖い!!

逃げたいが、体が動かない。ベッドに戻してくれ!

ゼネルは何かを考えているようだった。



「父上、こちらです」

ナルの声だ。

扉が開き、デュリスを小さくした男が入ってきた。

ナルには全然似ていない。監禁されていて衰弱しているのか、ナルが支えている。

サーリャ、オルドは壁側に移動し、膝をつく。

「ナルを助けてもらったそうだな。感謝する」

入ってきて頭を下げる。周りを見渡す。これが、国王か。

ようやく、王と目が合う。こんな体勢で王と対面したものは、多分いないだろう。


「すまぬ、ルド。投げ飛ばしたばかりでの」

王はルドという名前なのか。王を呼び捨てにするゼネルって・・いったい何者?


「はは・・それなら、しばらくは動けまい。いずれ、正式に今回のお礼をさせてもらうよ」


「父上!」


「ナルも立派になったの」

「女になったか?」


「ま、まだです・・・」

どういう会話をしてるんだ?この親子。


ヴァクーの部屋に入っていく音がする。




替わりにシオンが入ってきた。


「パッチ殿、今回はありがとうございました」

オルドはシオンの香りを嗅いでいる。

サーリャとシオンが手を貸してくれて、

床からベットへ、ようやく移動できた。


シオンの横に美人が立つ。城で見かけた女性だ。軽く、頭を下げておく。

オルドが言っていた綺麗な人か。オルドのにやけた顔で分かる。


彼女の名前はフレイロアで、シオンの妹で王国船を任されている。

フェストの船を見つけて行先がここであることを知ったそうだ。

島下部の古い港から進入して、兵を送り込み王を確保したわけだ。

相当な腕の持ち主のようだ。


部屋の窓から外を見ると、豪華な船が止まっている。

エンデペンデンスという名前だと。どの船も大砲が付いている。



島に守備隊を残して、離れることになる。


見晴台で外を見ると、空中戦艦が三隻、上空に待機して、港にはたくさんの船が停泊していた。

王の船が先頭で動き始めて陣形を組むようにして島から離れていく。


船にはヴァクー、サーリャ、フェストだけ乗っている。セインとトュリスはオルドの操縦する空中戦艦で城へ向かう。

フェストはジオを、たまたま輸送しただけ、であるが、後で、お仕置きをされることが確定している。

フェストを引き取りに来る兵士を待っているところだ。



「なぁ、本当の名前ってなんだ?俺の大ファンのプストじゃないのか?」

誰がいつファンになった。

船名を鈍足の鼻水小僧にしてなかった件を聞くと、

「あれは、君に花を持たせたんだよ」

目が泳ぎ、言い訳をしていた。


ヴァクーは、

「レノじゃないのか?」

サーリャは、

「パッチじゃないの?

ねえ、本当の名前教えてよ」


名前は好きに呼んでいいよ。



フェストは

「また会おう」

と言って連行されていった。もう、関わることが無いことを願う。


「少し、寄り道をしてウインザードへ向かってもいいか?」


「いいけど、変なところだったら、怒るわよ」

変なところってなんだよ。

「船を修理したい」

「ウインザードでもできない?」

できるけど、

「できるけど、家に一回帰っておきたい」

「パッチに家があったんだね」

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