3.修理
夕刻--
竜は群れで行動することが多く、はぐれでの接触することはほとんどありえない。
この地域は極地に近く竜の活動範囲からは遠いので被害を受けることもなかった。
接触した竜の大きさは通常の竜より大きく船体とおなじ・・より大きかった。
ギルドへ報告と報酬を受け取る。竜の襲撃がある影響で報酬が高くなったのはうれしいことだったが・・・
次の依頼を受けたかったが、現在 島からの離陸ができない状態なので、しばらく足止めになりそうだ。
再び船に足を運ぶ。
船の横にはいろんな部材が置いてある。
荷役クレーンがうなり船から荷物を降ろし、食料品や修理鋼材などが搬入されて打撃音や人の怒号が混ざり合う。ギルドが手配した修理班が船体の下や外壁装甲を外していく。
「ここ完全に持ってかれてるぞ!」
「竜の爪?だな……こんなの初めて見た」
見上げるとクレーン数台で右翼を支え、付け根にのった技師たちの声が聞こえる。
引き裂かれた外壁は手際よく外され、そのまま地面に投げるので落下音がうるさい。
修理はほとんど交換らしい。交換部品はどこかの廃船から取ってきたような古いものだ。
船へと続く階段を上っていると。
「船長」
振り向くとヴァクーが工具箱を抱えて立っていた。
「さっきの まほー ってやつ、本気で言ってんのか?」
疑うかのような目でこっちをみている。
「・・・・昔な、教わったんだ」
「誰に?」
答えられなかった。
思い出そうとしても、霧がかかったようになって言葉にでない。
船の装甲を触りながら記憶を探る。
ヴァクーはしばらく黙っていたが、肩をすくめて
「まあ、いいや。こいつが動けばなんでもいい」
そう言って船体を叩く。
カン、と鈍い音がした。
その瞬間、ほんの一瞬。
船体の装甲の一部が青くわずかに光る。
「・・・今の」
「ん?」
「いや、なんでもない」
「うわっアブナイ!」
どうやら、右翼で交換作業していた技師がクレーンに吊るされた部品を受けとり損ねたようで呼び寄せ紐が空を舞って先端の金具が船体にあたるとカン!と鈍い音がした。
事故だけは勘弁してほしい・・・




