水浴びをしたいサーリャさん2
船までの帰り道は来た道を戻るだけだが道を忘れた。
木と木の間から時々船が見えるが足元は、瓦礫や穴が開いていてとても危険だ。
ルルテスは安全そうな道を探しながら船へ案内してくれた。
昼前には船の下までたどり着くことができ、
船の周りは木が綺麗に伐採されており見通しが良い状態になっていた。
かまどから煙が昇り、人が集まっている。
昼食を準備していた町長が駆け寄ってくる。
竜が飛び立ってから、夜は獣の鳴き声がするなど、夜も寝れなかったと言ってた。
古代都市は、竜がいたからかは分からないが、想定していたより魔獣が少なく、食料が豊富で居住する環境があったこと、
昼過ぎに、港の跡へ船を移動して修理することを伝えた。
町長は、ナルとサーリャに話があると言って、人の輪から少し離れたところで話をしている。
エルテスは船の下で上を見上げて
「おーおー」
言っている。
船を移動する。
ブリッジに連れて行くと走り回り、窓越しに
「おうち見える!」
対岸を指さして教えてくれているが、何も見えない。視力が良すぎるだろ!
船は動き出した。
オルドが飛竜石を清掃したのが良かったのか、船の速度が走る速さより早くなったようだ。
トュリスはセインと並んで窓から外を見ている。
エルテスは
「おそーい、ぼろーい」
を繰り返す。その通りだから言い返せない。
湖面の上空を一緒に走らせてみると、何も言わなくなり真剣な表情で操縦した。
将来、この子は、どこかの船を動かしているかも。
地下都市の入り口近くの港跡に着いたので、船を固定して停泊させた。
「パッチ・・」
サーリャが服を引っ張る。
「ん?」
「あの・・」
「ああ
わかったよ」
水浴びのことだな・・
ブリッジを出て突き当りまで歩く。
「ここかぁ」
サーリャが扉を指さす。
ガシャン!
サーリャは部屋に入り中を見渡す。
「ちょ・・ちょっと!
天井が透けてるわよ!!」
そういえば天井が透明だったんだ。
「気になる?」
「気になるに決まってる!!」
女性が使うことを考えたことが無かった。
ヴァクーとセインの顔を伺う。
「どうする・・・」
「俺たちは気にしないんだがな」
ナルが手をソロリと挙げる。
「あの、、私も、水浴びを」
「大丈夫だ誰も」
セインが畳み込んできた。
「目隠しを作りましょう!」
植物を置いていた台を立てかけて、倒れないように固定。
天井を貨物用の布を使って見えなくして、水浴び場はセインのマントをめくって入るようにした。
植物は隅の方によせられている。
床に置いた箱に水を入れてペダルを足で踏むと上から水が出る仕組みだ。
「ほお、セインもなかなかじゃのぉ」
それは、俺の散水用に使っていたものだ。
「セインさん!ありがとうございます」
ナルはセインの手を取って感謝する。
「いえ!当然です!」
セインはお腹に手を添えてお辞儀した。
「ところで、あんたたち、いつまでいるの?」
「いや、一緒に入ろうかと」
ヴァクーがズボンを下げる。
「きゃぁ」
ナルが叫ぶ。
「入るわけないだろ!ボケジジイ!」
サーリャの拳がヴァクーの顔を捉える。
カランッ!
ヴァクーの兜が床に落ち通路へ飛んだ。
「冗談がわからんやつじゃ」
しばらくして、部屋の前には、
+絶対!開けるな!+
と札がかけられた。




