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ドラゴンルート  作者: 56GEN


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14/68

ナルの涙

ナルが

---ヴァクーさん、見晴台にお酒がありましたよ


ナルが

---船長さん、サーリャさんが見晴台へ、来てねといってましたよ


ナルが

---セインさん、見晴台でまっててもらっていい?


え?ナルにいわれた?

なんでお前らいるん?

さけは?

ナルさんは?

三人顔を合わせる。


ガチャン!

下の扉がロックされる音がする。


「「開かない!!」」

「こんな狭い所で男三人監禁かよ!」


「だから、今すぐウインザードに行くのよ!」

ナルは扉越しに叫んでいる。


「だして!」

「酒は~」

「ナルかっこいい!」


扉前をサーリャ通り過ぎる。

「うるさい人達ね・・・」



ナルはサーリャに

「今すぐウインザードに行くのよ!」

机をたたいて詰め寄る。


ナルの頭をなでて

「いけないのわかってるよね」

「このボロをみてごらん!」

「船尾が骨組みの露出状態」

「傾斜している状態」

「外の景色が全然変わらない」


「わ・わかっているのよ」

ナルはしょんぼりしてサーリャの服を引く。


「でも・・」

「でもじゃない」

「でも・・」

とうとう、ナルの目から涙があふれる。

サーリャはナルを抱える



しばらくして


「ごめん・・ね」


鼻をすすりながら扉へ向かい手をかける。



サーリャが手を止める。

出す必要はないわよ!


「「「「なんで!?」」」」


ナルは振り返り、窓越しに三人はサーリャを見る。


サーリャは真顔だった。


「だって、静かだよね」


「「「「え?」」」」


二人は耳を澄ませる。


----だせよーーー!!!----

----酒はどこじゃ!!!----

----ナルさん!!!----


ドンドンドン!!


扉が揺れる。

バン!!

サーリャは扉を叩く。


ナルはぽかんと口を開けた。

三人は固まった。


サーリャは腕を組んで

「出したらうるさい」


「・・・」


「すごくうるさい」


「・・・」


ナルは思わず吹き出して笑っている。


笑った。


初めて見た。


年相応の少女の笑顔だった。


「ふふっ」


「でしょ?」


「少しだけ、このままでいいかも」


「舵、扱える?」


「大丈夫」


操舵を握ると、ナルの表情は真面目になる。


「最短でウインザードへ向かって」



ドンドンドン!!



「オルド!!どこいったー」

「ナルさーーん!!」

「酒!!」


ナルはまた笑顔になる。


サーリャはあきれ顔で肩をすくめる。


「やっぱり、もう少し閉じ込めておきましょ」

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