ナル
雪山を眺めているオルドに声をかける。
「オルド!」
「はあ?」
「頂戴!」
「ああ!」
床に置いてある雪を弾にして投げてもらう。
顔に当たり・・顔が腫れて痛むので雪で冷やすと気持ちがいい。
「で、あんたたち、これからどこに向かうつもり?」
壁によりかかり腕を組んだサーリャが聞く。
「エルセンドラ湖」
「なるほど」
ドアを閉めて出て行った。避難者に伝えに行くのだろ。
「バランサーはどうする?」
オルドはブリッジの雪山を見る。
「この雪の量あれば大丈夫だろ。」
「すごい量だな」
「溶けたらサーリャにたのむわい」
笑いながらヴァクーがいう。
こりないやつだ・・・
「あなた、そんなこと言っていると叩かれるわよ」
サーリャのいた場所に獣族の女の子が立った。
「ふん、どうだか・・」
ヴァクーは窓外に目線を変える。
「わたくしは、ナル」
少女は軽く頭を下げる。
「脱出艇から助けてくださったそうで・・」
助けたのは俺だけじゃな。ヴァクーも手伝ったことを伝える。
なんで、あの場所にいたのかを聞いてみることにした。
「時間があるときに・・・」
と濁されるが、
「時間ならたくさんあるさ・・
人の歩く速度で飛んでいるから。」
ヴァクーが外を見ながら呟く。
「それで・・・」
ナルの表情が真剣になる。
「竜石は沢山あるほど不安定になることは知ってますよね」
「ああ」
「その結果があれ」
ナルは空にある砕けた月を指さす。
「隣りにある黄色い星、ヴァクー達の祖先がいた星」
ヴァクーは目を瞑る。
「月の破片が直撃して今では砂漠の星になってしまいました」
真剣な表情で話すナルの言葉に引き付けられ静まるブリッジ。
「今回」
拳を机にたたきつけて
「それをこの星でやろうとした者がいるのです」
「誰が!?」
ナルは首を横に振る。
「わかりません」
「竜の王が止めたのかはわかりませんが
あの大災害にならなかったことが救いです」
すぐ顔を上げて
「一人だけ、知っている者がいます」
全員の視線が集まる。
「わたし達は空中戦艦に乗り込みました」
「すごい」
セインがつぶやく。
「保管庫の士官締め上げたら、あっさり吐きました」
「吐いた?」
「ええ」
「だから竜石を捨てまくったのです」
「やるね」
セインがつぶやく。
ナルは平然と言う。
「保管庫の士官がうるさかったから脱出艇に放り込んで切り離したわ」
「おいおい」
ナルは呼吸を整えて、
「そのせいで見つかりまして、逆に脱出艇に監禁されることになり
爆発の時に脱出できたわけです」
オルドは頭を抱えて
「むちゃくちゃだな・・」
「ジオ侯爵が絡んでいることだけは確実」
ナルは机をたたいて周りを見る。
「真相はジオ侯爵よ!わかった?」
「やばい話だな・・・」
「だから、今すぐウインザードに行くのよ!」




