真竜石
--少し前のこと--
謁見の間
「閣下、位置に着きました」
震えた声。
私は鼻で笑う。
「そなたの情報は正しかったようだな・・ご苦労だ」
参謀は目を合わそうとはしない。恐れがそうさせているのか・・。
「予定通り敵艦に乗り込んで交戦中です、私も下へ降ります」
答えるつもりは無い。働き結果を誇ればよいのだ。
この椅子に座るべきものは、ここにはいない。
こいつらはこの影に怯えているが
座るべきものも戦場を恐れているのだ
階段を降りながら、跪く兵たちを見下ろす。
誰も顔を上げない。
謁見の間の入り口横には船着き場がある。
下の戦場の配置を見る。
奴らの教えがそれを許すなら止めはしない
戦艦を竜の餌として使うのであれば・・
違う・・竜そのものを破壊しようとするのか
強引すぎるな、
船に乗り込もうとする参謀を止める。
「参謀!あれを見ろ!」
のこのこと寄ってくる。
強引に襟を引っ張って下を覗かせる。
「ひぃ」
耳元で
「情報源はどこからだ・・奴らか?兄か?」
血の気が引くのがわかる。
半身が縁を越え体が震えていた。
答えない。答えれないのか。
そのまま、体がぴくッと反応し、動かなくなった。
引き上げ、足で転がすと白目を剥いている。
毒・・
「急げ治療だ!医者以外は近づけるな!」
兵たちは慌てて参謀を引きずっていく。
「下の強襲艇に撤収信号を打て!回収後は帝都へ帰還」
こいつらを道ずれにする必要はないだろう。大事な戦力だ。
「島に降りる!」
誰が仕組んだことかどうでも良い・・
手を伸ばせば・・そこに、真竜石がある。
目指すは竜!
体が前に倒れ落下する。
腕に緑色の光が集まり、銀色の槍のようなものが作られる。
槍を握り竜へ投げる。
竜の眼の1つはとらえていたが、よけきれない。
光が竜だけでなく船ごと貫通し、竜の頭が甲板にたたきつけられる。
最後の空中戦艦の内部、外部では白い服の兵士と黒い服の兵士が戦っている。
竜の前に降り立つ。
「くっ・・時間がない・・脱出は無理か」
--3隻目の戦艦が爆発--。
破片が竜や他の船に当たる。
「ちっ、失敗したか。まあ、いい」
男の手には紫色の透き通る竜石が握られ、その周りが青白くひかりドロドロな液体が垂れている。
「これは、もらう」
竜の眼は男を追う。
「さて、この力を利用させてもらう」
周囲が光り、飲み込まれる・・




